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「再生された選手に共通なのは…」《NPB参戦オイシックス新潟》監督は “野村再生工場”の腹心だった…いま明かす「遠山奬志&小早川毅彦」復活秘話
posted2024/03/15 17:01
text by
酒井俊作Shunsaku Sakai
photograph by
KYODO
「我々は新たな試みとして参加させていただく。今後の野球界にとっても、地域にとっても非常にプラスになったという前例を作りたい。失敗できない、と、プレッシャーを感じながら、少しでも地元や野球界に貢献できるようにと思っています」
今季からNPBのイースタン・リーグに参戦するオイシックス新潟アルビレックスBCを率いる橋上秀樹監督はそう話す。昨年まで独立リーグで戦ってきた新潟球団で指揮を執って4シーズン目。
NPB参加で各球団で実績のある選手が入団
今年はNPBに参加するため、メンバー構成が大きく変わった。16年セ・リーグ新人王で前阪神の高山俊や17年セ・リーグ最高勝率投手のタイトルホルダーである前広島の薮田和樹、俊足巧打を誇る元巨人→DeNAの田中俊太といった選手が大挙して加わったのである。
3月は教育リーグで各球団の本拠地を転戦する日々だ。高山は初戦だった1日の日本ハム戦(エスコンフィールド)で3打数2安打の好発進。その後も安打を重ねる。薮田は1日の登板では3回1失点で、9日のDeNA戦(横須賀)は5回5失点と試行錯誤。それぞれが、16日の開幕ヤクルト戦(戸田)に向けて準備を進めている。
橋上は現実を直視しつつ、先を見据える。
「彼らがNPBに復帰するのは、確かにハードルは高いと思います。NPB側としても戦力外にした手前、そう簡単には戻せないでしょうし、まして1回戦力外にしたチームはさすがに獲らないでしょう。でも、シーズン中はどのチームも不測の事態が起こりうる。そういう球団が緊急補強に乗り出す可能性もあるし、7月までであれば対応できると思います」
58歳の橋上は南海、ヤクルト、阪神、楽天を率いた野村克也監督の腹心として知られる。
1983年のドラフト3位でヤクルトに入団し、野村の下で92年に自己最多の107試合に出場。日本ハムを経て、阪神で現役を終えた。橋上にスポットライトが当たるのはバイプレーヤーとして活躍した現役時よりも、指導者になってからだ。
楽天ではヘッドコーチとして野村を支えた。選手で8年、指導者で4年の12年間、同じユニフォームを着て戦った。