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サッカー日本代表PRESSBACK NUMBER
伊東純也の代表離脱“二転三転の決定”までに何があったのか?「報道当日の取材エリアでは…」「練習に姿を見せず」現地で目にした一部始終
text by
戸塚啓Kei Totsuka
photograph byKiichi Matsumoto
posted2024/02/11 17:00
アジアカップ開催中に“性加害疑惑”が報じられ、代表チームを離脱した伊東純也。報道当日から日本が敗退するまでの過程を検証する
離脱が最終決定…二転三転した対応の内幕
2日午前中には、田嶋会長とカタール入りしているスタッフ、JFAの関係者、弁護士、専門家などがオンラインを含めて集まり、伊東の処遇についての協議が行なわれた。その後、田嶋会長がブリーフィングに臨んだ。「このたびは大変お騒がせしましたことを、お詫び申し上げます」と切り出すと、JFAとしての最終決定を報告していく。
「森保監督とも相談した結果、伊東純也選手はアジアカップを戦っているサムライブルーから離脱することとなりました。昨日の日本時間の夕方に、伊東選手の離脱についてご案内を差し上げました。(その後)現地で戦っているチームから連絡がありまして、選手たちの熱い思い、継続して戦いたいという気持ちがあったとは聞いていますが、我々としてはしっかりとした情報を集め、議論をしていきたいということで、昨晩は一時的に離脱についての決定を延期いたしました。本日改めて検討することといたしました」
前夜の段階で「残す方向での調整」となったのは、選手たちが伊東とともに戦うことを強く望んだからだった。田嶋会長も前夜に伊東本人と話し、「挑戦したいという気持ち」に触れていた。
ここで重要なのは、JFAが追求するべきは日本代表の勝利だけではない、ということである。ステークホルダーの意向は無視できず、公益財団法人としての姿勢や責任も問われる。
ステークホルダーやスポンサーへの配慮の有無を問われた田嶋会長は、「まったくゼロではありません。パートナーのみなさんへの配慮もしたのも事実です」と話している。さらには、「我々は組織として性暴力に絶対反対の立場を取っています」との大前提を示し、「この件について我々が白か黒かということを言う立場にはない、言える立場ではないと思っていますので、それについての判断は、そこは考慮していません」と説明した。
<後編へ続く>