「伊東純也とは話をしましたか？」外国人記者の質問に森保監督は…“性加害報道”がアジアカップに与えた影響「選手たちは自らに敗因を求めた」

イラン戦前日会見で森保監督は何を語ったのか

　イラン戦前日の2月2日。田嶋幸三JFA会長は、伊東純也が代表チームを離脱するという結論に至った理由について、「総合的な判断」だったと強調した。ブリーフィングのなかで、田嶋会長はこのフレーズを4回使っている。

「チームを取り巻く環境が騒がしいことも、それが続くことも想定されます。サッカーに集中できる環境をJFAとしてしっかりと作る必要があるということで、伊東選手のコンディションを含めて考えたうえで、JFAとして総合的に判断いたしました」

　森保一監督とは直接話をして、「納得してくれてこの結論に至っている」とのことだった。その森保監督は、2日に準々決勝の前日公式会見に出席した。最初にイラン戦について短くコメントすると、外国人記者からいきなり伊東についての質問を受けた。

「できれば伊東選手、純也とは、この大会を最後まで戦い、みんなで優勝を目ざしたい気持ちは持っておりました。そのなかで、離脱という判断をJFAがしたところ、同意をして、明日の試合では我々とは戦わずに離脱ということになりました」

2月2日、イラン戦の前日会見で記者の質問に応える森保一監督　©Getty Images

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　別の外国人記者からは、伊東のメンタルについて問われた。「彼とは話をしましたか？」と聞かれた指揮官は、ひとつ頷いてから答える。

「サッカーをハイインテンシティのなかで戦っていくメンタルの状態ではないかな、と思っております。彼が少しでも早くトップ・オブ・トップのパフォーマンスができるように、見守っていきたいと思います」

「彼を過剰に追い込むことは控えていただきたい」

　質問に対する答えとしては、これで十分である。だが、自身の言葉が英訳されると、森保監督はさらに話を続けた。どうしても伝えたいことがあったのだろう。

「メディアのみなさんにお願いですが、疑惑ということで彼を過剰に追い込むことは控えていただきたいと思います。よろしくお願いいたします」

　そして、と言葉をつなぐ。森保監督の眼には、本心から語っている熱が浮かんでいた。

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