ドーハに滞在中のチームは、1日午前中にトレーニングを行なった。バーレーン戦に先発した11人と途中出場の南野拓実、守田英正、三笘は、ホテルでのトレーニングとなる。彼らを除いた選手たちが、グラウンドで汗を流すことになっていた。前日は出場しなかった伊東もそのひとりだったが、姿を見せなかった。

　日本サッカー協会（JFA）の広報担当者からは、ホテルでコンディション調整をすることと、ケガではないことが伝えられた。また、チームを離脱する予定はないことも確認された。

　ところが、JFAは同日午後にリリースを配信する。伊東が離脱すると発表したのだった。リリースには離脱の理由が添えられており、「報道されている事実関係の内容について当事者の主張が異なっていると理解しており、慎重な対応が求められると考えています」とし、疑義を抱かれていることが直接的な離脱の理由ではないことを示唆した。その一方で、「伊東選手本人の心身のコンディションを考慮した結果、伊東選手が本日付でチームを離れることを決定しました」とあった。

2月1日、JFAは伊東純也がチームを離れる旨のリリースを配信した　©Kiichi Matsumoto

　伊東が自らの主張に自信を持っているとしても、周囲からの視線が気になるかもしれない。外国のメディアが騒ぎ出す可能性もある。フィジカルよりもメンタルのコンディションが整わない危惧は拭えず、JFAの判断は賢明だっただろう。

同日夜、一転して「チームに残す方向で調整」

　現地で取材をしているメディアあてに、JFAからメールが届いたのはその日の夕方だった。チームを統括する山本昌邦ナショナルチームダイレクターが、夜になってメディア対応をするとの連絡だった。

　山本ダイレクターによれば、チーム内から伊東と一緒に戦いたいとの声が上がったという。選手たちの総意と言ってもいいものだった。そうした声をまとめて日本にいる田嶋幸三JFA会長とも話し合い、「チームに残す方向で改めて調整するということになった」との説明があった。同時に、「再びチームを離脱する可能性もゼロではない」とも語り、翌2日午前に日本で行なわれる協議において、最終的に決定されるとのスケジュールを示した。

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