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「史上最高の右打者は落合だ」野村克也は、なぜ落合博満を認めたのか? “ID野球”も“オレ流”も知る4人の教え子が語る「ウラの顔」 

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長谷川晶一

長谷川晶一Shoichi Hasegawa

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photograph byKoji Asakura,Tamon Matsuzono

posted2024/02/11 11:04

「史上最高の右打者は落合だ」野村克也は、なぜ落合博満を認めたのか? “ID野球”も“オレ流”も知る4人の教え子が語る「ウラの顔」<Number Web> photograph by Koji Asakura,Tamon Matsuzono

野村克也と落合博満、どちらとも関係がある4名の野球人が“似て非なる名将”の残像を語った

「落合さんが口にした、『ノムさんならこう言うだろう』という内容は本当にその通りなんですけど、落合さんの場合はそこから先がありました」

 たとえば野村は「このカウントならこの球種だから、それを打て」という指示を出す。しかし、落合はさらに踏み込んで、その球種の打ち方にも言及していた。

「落合さんは、その球種が来るのなら『ボールをもっと引きつけよう』とか『普段よりボールの内側を叩こう』と、技術的な答えを持っていた。『オレなら、そんなミーティングをするけどな』と、よく言っていましたね」

「史上最高の右打者は落合だ」

 ヤクルト監督時代に掲げた「ID野球」に象徴されるように、野村はデータ重視の姿勢を貫いた。橋上は言う。

「二人とも三冠王になっていますが、野村さんは『オレはデータを収集してこれだけの成績を挙げたけど、落合は能力であれだけの成績を残している。オレが知っている史上最高の右打者は落合だ』と、自分との技術の違いを認めていました。一方、落合さんは野村さんをリスペクトしつつ『オレはあそこまではできないな』と言っていました」

 落合が口にした「あそこまで」とは、長時間にわたるミーティングであり、メディアに対するリップサービスであった。ほとんどミーティングをせず、マスコミに向けてコメントを発しない落合。一方の野村は「プロは注目されなければダメなんだ」の思いの下、自ら積極的にコメントを残し、さらには自身の言葉を情報戦、心理戦にも応用していた。

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