遠藤航、鎌田大地、冨安健洋が成功した理由

――STVVに限定すると、多くの日本人選手が遠藤航選手（リバプール）、鎌田大地選手（ラツィオ）、冨安健洋選手（アーセナル）のような形でステップアップしたいと考えていると思います。彼ら3人が他の選手と違う点があるとすれば、どういうところでしょう。

「個人的に彼ら3人のことをよく知っているわけではないけれど、彼らのいたシーズン、STVVはかなり強いチームだった。でもプレーオフ1（ベルギーリーグではレギュラーシーズンの1位から6位までがプレーオフ1を戦い、優勝を争う）に行けるレベルではなかった。そのなかで彼らが鍛えられたのは、継続性だったと思います。今、ここで何をやらなくちゃいけないのか。それをしっかりとやれた人間が次にステップアップできている。そして新しい環境でも同じことができているんだと思います」

STVVで同時期にプレーした鎌田大地（ラツィオ）、冨安健洋（アーセナル）、遠藤航（リバプール）　©Getty Images

――どんなサッカー選手であっても、目の前の競争に勝つことや、生き残ることに必死になるのは当然ですが、継続性をもって「やるべきこと」をしっかりと見つめるのが重要だと。

「STVVだから、ステップアップリーグだから、『早くここを出なくちゃ』と焦ってしまったり、自身の評価を過大に見積もったり、過小評価してしまったり、余計なことを考えてしまうとしたら、それは非常に良くない。本当なら考える必要もないこと。そもそも日本人だから獲得したわけじゃないんですよ。STVVへ加入することだって簡単じゃない。クラブも将来、ヨーロッパで活躍できるだろうと思って、フェアな視点で選んでいる。だからこそ自信を持ってほしいし、どんなクラブでもやるべきことは変わらないという気持ちを大事にしてほしい。自分がやるべきことをやっているヤツだけが成長できると僕は思っています。それはヨーロッパに限らず、Jリーグでも同じことだから」

「若い彼らがどう成り上がっていくのか見てみたい」

――自分たちのころとは環境も時代も違うとお話しされていました。さらに今の若手選手たちは順応性も高く、スマートだと。

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