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巨人ドラ1ルーキー・浅野翔吾に、原辰徳監督があえて苦言? 初本塁打を絶賛しつつ「絶対にダメ」と語ったプレーとは…原監督流の“英才教育”
text by
鷲田康Yasushi Washida
photograph byJIJI PRESS
posted2023/08/30 11:20
8月11日のDeNA戦、プロ初先発で初安打を放ち喜ぶ巨人・浅野翔吾。18日の広島戦では初本塁も記録した
門脇は高校時代から大学まで公式戦116試合999イニング、全試合出場というとんでもない実績を誇り、春季キャンプで指揮官が“ストロング門脇”と命名した肉体的な強さが売り物の選手だ。
無類の強肩を武器に、まず守備から一軍でもポジションを奪っていった。
肩が強く、スピードがあるから、守備での位置どりが普通より深く、守備範囲も広くなる。ショートで坂本の後継者としての期待が膨らむが、三塁も二塁も守れるところも一軍で使いやすい理由である。そして原監督は守備だけではなく、打撃での可能性も高く買っている。
「最初はなかなか結果が出なかったけど、凡退の仕方に目を引くものがあった。きちんとバットを強く振って、逆方向へも打球が打てていたからね。それがだんだんと一軍の投手の球にも慣れてきて、センターを中心に広角に打てるようになってきている。バッターとしても将来的には3番を打てる可能性があると思う」
坂本・丸が秋広・門脇を支えるのが理想形
この2人にドラフト2位ルーキーの萩尾匡也外野手を加えた3人が打線の新しい力となり、そこに岡本、吉川尚輝内野手、大城卓三捕手らが加わって、チームの主軸を形成していく。
「今年に関して言えば、やはり坂本であり丸であり、彼らを頼ってチームを編成していた部分はある。ただそこから来年は少し違ったチームに移行していかなければならないのは確かだと思う」
これが来年の世代交代の1つの完成形として見えてきているところだ。もちろん坂本にしても、丸にしても、彼らが不要というわけではない。ただ今度は打線の中で秋広や門脇を支える存在になってくれること。それが理想形になるということだ。
主役の交代はどの世界でもある。
ただそのときに主役を降りた選手が、いいバイプレーヤーとして主役を引き立てるような仕事をしてくれたら、そのチームは必ず強くなるはずだ。巨人で言えば坂本や丸だけでなく菅野智之投手や中田翔内野手が、チームでそういう役回りになる時期は近づいてきている。
彼らがそういう役になるためにも、秋広や門脇、萩尾そして山崎や横川、赤星、井上らが“お客さん”ではなく、一軍の戦力として一本立ちすることが不可欠なのである。
浅野翔吾の初本塁打を絶賛しつつも…
そしてもう1人、巨人の将来を担う選手として“英才教育”が始まっているのが、ドラフト1位ルーキーの浅野翔吾外野手である。