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「試合が長すぎる」日本でもピッチクロック導入を検討…一方で反対する球団は「時間短縮は売り上げ減につながる」プロ野球は誰のものなのか?
posted2023/08/31 17:00
text by
鷲田康Yasushi Washida
photograph by
JIJI PRESS
試合時間の短縮を目的にメジャーリーグ機構(MLB)が今季から導入したピッチクロックが、予想以上の成果を上げている。
ピッチクロックは投手がボールを受けてから走者がいない場合は15秒以内、走者がいるケースは20秒以内に投球動作に入らなければならないというもので、違反した場合にはボール1つが加算される。
一方の打者も制限時間の8秒前までに打席で打撃準備を完了しなければならず、違反した場合はストライク1つが追加されるというのが基本ルールだ。球場にはバックネット側とバックスクリーン側にそれぞれ時間をカウントする時計を置いて、それを基準に制限時間を計測。バッテリーは時間短縮のためにピッチコムという電子通信機器を使ってサインのやり取りをすることが許されている。
MLBでは開幕から約1カ月経過した5月12日までの集計で、9イニングで終了した試合の平均試合時間は2時間37分となり、22年の3時間5分から28分も短縮された。当初は導入に反対だった選手会も、予想以上の成果にいまはルールそのものは完全に受け入れており、ポストシーズンでの時間の緩和などへ検討課題は移行している。
プロ野球でも“ピッチクロック導入”を検討?
と、なれば日本では試合時間の短縮を大きな目標に掲げるプロ野球で導入となるのかが次なる焦点だ。