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巨人ドラ1ルーキー・浅野翔吾に、原辰徳監督があえて苦言? 初本塁打を絶賛しつつ「絶対にダメ」と語ったプレーとは…原監督流の“英才教育” 

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鷲田康

鷲田康Yasushi Washida

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posted2023/08/30 11:20

巨人ドラ1ルーキー・浅野翔吾に、原辰徳監督があえて苦言? 初本塁打を絶賛しつつ「絶対にダメ」と語ったプレーとは…原監督流の“英才教育”<Number Web> photograph by JIJI PRESS

8月11日のDeNA戦、プロ初先発で初安打を放ち喜ぶ巨人・浅野翔吾。18日の広島戦では初本塁も記録した

 浅野は7月7日に一軍昇格を果たした後に、そこで得たものを持ち帰って同21日からファームで調整。8月はイースタン・リーグで打率3割7分5厘を記録して、8月11日に一軍に再昇格した。

 再昇格した11日のDeNA戦では「8番・右翼」でプロ初先発し、第2打席でプロ初安打をマーク。3度目の先発となった18日の広島戦では5回の第2打席で広島先発左腕の森翔平投手の内角へのカットボールをマツダスタジアムの左翼席上段に運ぶプロ初本塁打も記録している。

「崩されたんですけど、ワンハンドでしっかり芯に当たったのでいい感触でした。こんなに早くホームランが出るとは思っていなかったので、本当に嬉しいです」

 本人はメモリアルアーチの感触をこう語った。

原監督が浅野に対してあえて”苦言”

「スピードがあるし。長打力もある。野球に対する取り組み、考え方がしっかりしている。必ずチームを背負って立つ、日本球界を背負って立つ選手になると思う」

 こう絶賛した原監督は、しかし8月24日のヤクルト戦では苦言を呈することも忘れない。代打でプロ5本目となる左前安打を放ったが、むりなタイミングで二盗を試み失敗。「簡単にアウトになるようなスタートを切るのは絶対にダメ。スタートを切れなかったら止まるというのもいいランナーの条件になる」

 試合後に自らこの盗塁失敗に触れて厳しい言葉を発する場面もあったが、それも全ては期待の表れなのだろう。

 そして原監督はまだまだ浅野の起用に関しては慎重だ。もちろん1つはAクラス確保というチームとしてのミッションがあり、そのための現時点での最善は決して捨てないという決意があるからだろう。その中で打撃の状態、相手投手との兼ね合いを考えながら、どういう形で浅野を起用していくか。それを考えるのが育成の第1段階で、理想としては来季中に、今年の秋広と同じような立ち位置まで登ってこられるようになることである。

 外野のポジションには丸だけではなく梶谷隆幸外野手、長野久義外野手、ルイス・ブリンソン外野手といて、秋広もまた外野で起用されるケースが多い。なかなか浅野が割って入るチャンスは少ないが……。ブリンソンの緩慢なスローイングを見るたびに「ならば浅野で!」と思うのは、優勝が絶望的となった現在のファン心理としては当然のことなのかもしれない。

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