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「就活を本気でやらせてください」サッカー日本代表・森下龍矢は“損保業界”を目指していた…明大生が内定を辞退してJリーガーになるまで 

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松本宣昭

松本宣昭Yoshiaki Matsumoto

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photograph byYudai Emmei

posted2023/08/04 11:01

「就活を本気でやらせてください」サッカー日本代表・森下龍矢は“損保業界”を目指していた…明大生が内定を辞退してJリーガーになるまで<Number Web> photograph by Yudai Emmei

8月3日発売のNumber1078号の取材で就活の秘話を語ってくれた名古屋グランパスの森下。プロサッカー選手も目指しながらの就活とはどのようなものだったのか

「4年生になる頃に、全日本大学選抜に入りました。でも、自分ではまさか入るなんて全く予想していなかった。だから3年の秋から、就活を始めていたんです。本気で、ガッツリやっていましたね。僕には昔から海外志向がありました。初めて海外に行ったのが、磐田U-18のとき。ドイツに足を踏み入れたときに“これが海外か!”って、めちゃくちゃ感動したんです。あの気持ちが忘れられなくて。もしもプロサッカー選手として海外に行けないのなら、ビジネスマンとして海外に行きたいなって考えるようになりました」

業界研究で「イギリスいいじゃん!」

 就職活動の第一歩は、自己分析と業界研究。「プロサッカー選手」以外ならば、自分はどんな仕事をしたいのか。自分にはどんな職種が向いているのか。徹底的に考え、調べた。キーワードは、海外勤務。たどり着いた答えが、金融業界。その中でも損害保険業界だった。

「いろいろと調べていく中で、近代的な損害保険が最初に生まれたのはイギリスだと知りました。1666年のロンドン大火と呼ばれる大規模火災によって、財産を失った場合を想定して生まれたのが火災保険の始まりだと。これを知ったときに、イギリスいいじゃん! って、ピンと来たんです。子どもの頃からプレミアリーグが好きでしたし、海外勤務のある企業も多い。保険会社日本代表として、イギリスで戦う。そんな未来もいいなと思って、保険業界について勉強しました」 

本命は三井住友海上

 体育会サッカー部の主力として活動している以上、たくさんの企業の採用試験は受けられない。保険業界の3~4社に絞り、本命は三井住友海上に決めた。

「明治の3学年上に、三井住友海上に入社した先輩がいました。その先輩が、親身になって相談に乗ってくれて。仕事の話をいろいろと聞かせてもらううちに、保険業界の奥深さを感じたんです。保険は、形がないもの。お客さんの要望に合わせて、概念や約款を組み合わせて提案する。形のないものを自分で工夫しながら売る仕事って、おもしろいなって」

【次ページ】 言語化する力が高い理由は?

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