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「日本が羨ましい」王国ブラジル記者らが“なでしこカウンター大絶賛”の背景「男子のドイツ、スペイン撃破に続き女子も4-0だろ?嬉しいよ」
posted2023/08/03 17:02
text by
沢田啓明Hiroaki Sawada
photograph by
Hagen Hopkins-FIFA/Getty Images
女子W杯グループステージ(GS)第3戦、なでしこジャパンは前半に中盤を支配されながらも強固な守備ブロックを敷いてスペインに侵入を許さず、逆に前半12分、カウンターからFW宮澤ひなたが鮮やかな先制ゴールを決めた。
「オ、オ、オ、オ、オ、また日本のカウンターが炸裂!」
ブラジルのテレビのアナウンサーと解説者(男女一人ずつ)は、なでしこの守備戦術とカウンターを口を揃えて激賞した。
「まるでビデオゲームのよう。遠藤(純)からの素晴らしいパスが、宮澤にピタリと合いました」(前半12分、なでしこの先制点に女性解説者が)
「(なでしこの)青い強固な壁が立ちはだかる。スペイン選手は、誰一人としてこの壁を乗り越えることができない」(前半中頃、日本が2-0とリードしている状況でアナウンサーが)
「オ、オ、オ、オ、オ、またしても日本のカウンターが炸裂だ!(前半40分、日本が宮澤の得点で3-0とリードを広げると、アナウンサーが絶叫)
「田中(美南)、ペナルティエリアの中へ入り、左足でシュート! ゴラッソ(スーパーゴール)!」(後半37分、日本の4点目にアナウンサーが)
「4-0。スペインにとって、悪夢のような試合となっています」(試合終盤、アナウンサーが)
「スペインは、バルセロナが欧州クラブ王者で、U-20代表は世界王者という強国だ。それだけに、この大敗のショックは非常に大きいはず」(試合終盤、男性解説者が)
「世界の関係者、ファンに最高のレッスンを」
試合が終わると、解説者たちは以下のように試合を総括した。
「スペインには、2年連続世界最優秀選手のMFアレクシア・プテージャス(バルセロナ)ら素晴らしいアタッカーが揃っていた。しかし、日本は堅牢な守備システムを構築してスペインの攻撃をほぼ完璧に封じ、スピーディーなカウンターからゴールを決め続けた。守備戦術とカウンターの2点に関して、日本は世界のフットボール関係者とファンに最高のレッスンをしてみせた」(女性解説者)
「相手に応じて、また状況に応じて、日本は臨機応変に守り、攻めることができる。グループステージの最初の2試合も素晴らしかったが、この試合はさらに見事だった。
今や、日本は有力な優勝候補だ。ラウンド16で対戦するノルウェーよりはるかに強い。準々決勝も勝ち抜き、準決勝でアメリカと激突するのではないか。これは、大変な試合になる。この試合の勝者が、優勝に最も近いと思う」(男性解説者。ただし、アメリカは8月1日のGS最終節でポルトガルと引き分けてグループ2位となった。もし日本とアメリカがラウンド16を勝ち上がれば、両国は準々決勝で対決する)