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「就活を本気でやらせてください」サッカー日本代表・森下龍矢は“損保業界”を目指していた…明大生が内定を辞退してJリーガーになるまで 

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松本宣昭

松本宣昭Yoshiaki Matsumoto

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photograph byYudai Emmei

posted2023/08/04 11:01

「就活を本気でやらせてください」サッカー日本代表・森下龍矢は“損保業界”を目指していた…明大生が内定を辞退してJリーガーになるまで<Number Web> photograph by Yudai Emmei

8月3日発売のNumber1078号の取材で就活の秘話を語ってくれた名古屋グランパスの森下。プロサッカー選手も目指しながらの就活とはどのようなものだったのか

言語化する力が高い理由は?

 森下の才能の1つが、言語化能力だ。就活中も志望動機を明確に伝えた。今回の取材(8月3日発売Number1078号「FACE」ページに掲載)でも、森下は自身の頭の中をわかりやすい言葉で伝えてくれた。なるほど。これなら面接でも好印象を受けるわけだ。

 では、幼稚園児の頃から「とにかくサッカーばっかりやってきた」彼が、どのようにして有名企業の面接官をも唸らせる言語化能力を身に付けたのだろうか。そのきっかけは、高校時代の“恩師”との出会いだった。

「磐田U-18の監督が、大木武さん(現ロアッソ熊本監督)だったんです。大木さんは、言葉の使い方・選び方がすごくおもしろい人でした。例えば『ワンツー』という言葉の使い方。普通、ワンツーと言えば、パスを送った相手から素早くリターンパスをもらうことを指します。でも、大木さんの場合はワンツーにも2種類あって。パスを出して、相手の外側を回ってリターンをもらったら、『ワンツー』。相手の内側に走り込んで、そのまま中でリターンをもらうことを『割って入る』と呼びます。大木さんはワンツーを一括りにするんじゃなくて、分解する。僕はこういう分析力や言葉遊びが大好きで。大木さんと出会って以来、言葉に魅了されるようになりました」

就活中に鳥栖、磐田からオファーが届く

 “大木仕込み”のワードセンスも武器に、森下は順調に面接試験を突破した。その一方で、サッカーでもめきめきと頭角を現した。全日本大学選抜に続き、2019年には三笘薫(現ブライトン)、旗手怜央(現セルティック)、上田綺世(現セルクル・ブルージュ)らとともに、ユニバーシアードのメンバーに選出され、優勝に貢献した。

 そんな逸材を、Jリーグクラブが放っておくはずがない。就職活動中には、古巣のジュビロ磐田、続いてサガン鳥栖から加入オファーが届いた。

【次ページ】 サガン鳥栖か、三井住友海上か

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