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「原（辰徳）さんが契約金8000万円なら…」人気絶頂“昭和の巨人”から「ドラ4指名」18歳はナゼ入団を断った？「帰宅したら黒塗りのハイヤーが…」
posted2025/04/21 11:00
1980年のドラフト会議。巨人の1位指名は原辰徳だった。同じく4位で指名を受けた瀬戸山満年だが、超人気球団からのオファーをなぜ断ったのだろうか
text by
田口元義Genki Taguchi
photograph by
JIJI PRESS
中京大中京と言えば、京都大や名古屋大、早稲田大、慶應大などの名門大学への進学実績が明るい。「私立なら中京」。愛知県ではそれほどのステータスを誇っている。
校名が「中京」だった今から50年ほど前。そんな校風とは真逆だったと豪快に笑うのが、瀬戸山満年である。
「今は男女共学だけど当時は男子校でね。昔風に言えばバンカラというか、要は名古屋のワルが集まるような学校でしたよ」
「野球以外はからっきし」だった瀬戸山
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瀬戸山は、いわゆる「野球ができる学生」だった。中学3年の県大会決勝で中京の附属中と対戦したことで、当時、甲子園優勝10回を誇る名門校の目に留まる。特待生として入学しただけに野球以外はからっきしだったという。
つまり、やんちゃ坊主だった。
「あんまり細かくは言えないけど、学校からいつ退学を宣告されてもおかしくないくらい悪い生徒でしたねぇ」
自身が認めるほど素行不良だった瀬戸山を引き留めたのが、入学当時の野球部部長で、のちに監督となる杉浦藤文である。
「お前を野球で何とかしたい」
そう言って更生の道を示してくれた杉浦によって「野球に精力を注ごう」という気持ちが芽生え始めたのが、1年だった78年夏の甲子園である。ベンチ入りしなかった瀬戸山はチームの応援部隊には帯同されず、生徒指導部の教員と行動を共にすることとなった。
準決勝での敗戦の記憶は、今も覚えている。
9回表の時点で4-0と、勝利目前だった。ところが、その裏に同点に追いつかれ、延長12回でサヨナラ負けを喫した。屈した相手はPL学園。そう、高知商との決勝戦でも劇的な幕切れで初優勝を遂げ、「逆転のPL」として一躍、知名度を上げた、あのチームに敗れたのだった。
