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Jをめぐる冒険BACK NUMBER
堂安律や谷口彰悟も言っていた『強豪国には“ボール保持率40%”説』を森保一監督に直撃してみた…「僕自身も」「スタッフ間でも共有しているんです」
text by
飯尾篤史Atsushi Iio
photograph byAtsushi Iio
posted2023/07/19 11:29
ここまでの総括と秋の欧州遠征への抱負を語ったサッカー日本代表・森保一監督
「自分たちの強みと相手に嫌がられることを考えたうえで、ですね。ペルーはボランチが1枚、最終ラインに降りてビルドアップすることがあったので、こちらも可変して自分たちの強みを出していけるように、と。ただ、ブロックを敷くときは、形だけのブロックではいけないと思っていて。相手にどうやったらプレッシャーを掛けられるのかを考えないといけない。ブロックを敷きながらもマッチアップを考えて、GKを除いて1対1が10個ある、ということで相手にアプローチしていけるように。特に、ミドルゾーンからディフェンディングゾーンに入ったときは、時間とスペースを与えないように、ボールを奪う守備ができるように、という考え方でいきたいですね」
実際、ビルドアップの際に3バック化してきたペルーに対し、4-4-2でブロックを組んでいた日本は、マンマークを意識して微修正を加えていた。
前線は左から三笘薫、古橋亨梧、鎌田が、中盤は右から伊東純也、遠藤航、旗手が並ぶ4-3-3気味の守備ブロックを組んで臨機応変に対応したのだ。
「そこは4年間で積み上がっているところだと思います。ヨーロッパではマンマークでやるチームが多いので、海外組の選手たちが普段やっていることをピッチで表現してもらえるように、と考えています。カタールW杯のドイツ戦では前半は4-4-2でブロックを作って、そこでもマッチアップしていくつもりでしたけど、噛み合わせがうまくいかず、PKを与えたり、攻め込まれていた。だから、後半は人に合わせた。あれは3バックにしたというより、人に合わせていったんです」
そうした経験値を活かせたのが6月シリーズだったのである。では、ドイツ、トルコと対戦する9月シリーズにおける次なるステップはなんだろうか。
すると森保監督は、意外な言葉を口にした。
「マンツーマンでやるかもしれません。なぜかと言うと、個人の力量を測る格好の舞台だと思うので――」
(つづく)
◇後編では、秋に控えるドイツ、トルコとの欧州遠征への抱負を語っています。
記事内で紹介できなかった写真が多数ございます。こちらよりぜひご覧ください。