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Jをめぐる冒険BACK NUMBER
「ドイツは日本に連敗できない…最高じゃないですか」森保監督が描く2026年W杯のロードマップ…超貴重な秋の欧州遠征では“王道”で勝負?
posted2023/07/19 11:30
text by
飯尾篤史Atsushi Iio
photograph by
Kiichi Matsumoto
森保ジャパンのリスタートとなった今年3月のウルグアイ戦とコロンビア戦は、課題が噴出するようなゲームとなった。
もっとも、指揮官によると、それも織り込み済みだったという。
カタールW杯後の日本代表は、ビルドアップやボール保持のレベルアップに取り組んでいる。その第一歩として3月シリーズで“サイドバックのインサイドハーフ化”にチャレンジしたが、ボールはスムーズに循環しなかった。
「ノッキングしたほうがいいと思っていた」
「(W杯から)選手も変われば、スタッフも変わったなかで、できる限りの準備をしましたが、いろいろな修正点、課題が出たのは当たり前のことかなと。トレーニングは、2、3回だけ。ビルドアップの練習をやって、ディフェンディングゾーン、ミドルゾーン、アタッキングゾーンと全部やれればいいですけど、まずはGKのところからやっていこうと。トレーニングですごく落とし込むというよりも、これは絶対に忘れちゃいけないぞという働きかけをして、結果的に試合で出たことはトレーニングでやったことなんですね。全体的に戦術浸透はそこまでできなくて、一人ひとりが試行錯誤をしているなかで、そんなにうまく回ることもないだろう、という気持ちでした」
新しいことにトライすれば、選手たちはどうしてもそれを表現しようとするもの。上積みしたポイントに傾倒しすぎたのは否めない。
だが、森保一監督はその状況を歓迎していた。
「ノッキング(壁にぶつかる)したほうがいいなと思っていたんです。修正しなければならないポイントを共有できるので。もちろん、成功体験の上積みだけでチームが出来上がっていくのが理想ですけど、そんな平坦な道にはならない。アジア予選やW杯を見据えたときに、今はできるだけたくさんの修正点を深く共有することが、厳しい戦いで役に立つと思います」