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森保監督に世界の名将、“オーケストラの指揮者”も講師に? 知られざるS級コーチ講習会のリアル「見るべきものが変わったというか…」
posted2023/05/25 11:04
text by
戸塚啓Kei Totsuka
photograph by
JFA/AFLO
2023年度のS級コーチ養成講習会には、特異な立ち位置の受講生も含まれている。今回が2度目の受講となる金明輝さんだ。
J1のサガン鳥栖の監督当時にパワハラ行為があったとして、金さんはS級からA級へ降格となった。今シーズンからJ2のFC町田ゼルビアでヘッドコーチを務めている。
所属クラブでの職務とどう両立しているのか?
2度目の受講にあたっては「サッカーは進化していますし、自分にはまだまだ足りないものがある、学ぶものがある、と思ってここにきています。僕自身が学んできたことをもう一度精査するというか、つねに自分に問いかけながら新しいものを獲得できたら」と謙虚に、かつ熱っぽい口調で語る。
S級コーチ養成講習会は最初の短期講習を除き、module(モジュール)ごとに月曜日から木曜日まで開催される。木曜日のカリキュラムが終わると、参加者たちは慌ただしく所属チームへ戻る。金さんがヘッドコーチを務める町田は、module1終了2日後の4月29日にJ2リーグ第12節が行なわれ、そこから中3日の3連戦を消化した。
「大前提として、クラブと協会の理解があったうえで講習会に参加させてもらっています。それについてはホントに感謝しています。講習に参加している間のクラブの仕事については、今年ここへ来るのは分かっていたので、ある程度のタスクは他のコーチに分散して、自分がいない期間もきちんと回るようになっています」
中村憲剛さんは27日の講習会終了後すぐに、同日から開かれたU-17日本代表候補のトレーニングキャンプに合流した。ロールモデルコーチとして、30日までチームに帯同した。
次回の講習は6月だが、参加者はその間も指導実践を積んでいく。現在のS級コーチ養成講習会の大きな特徴として、全員で集まって講習を受けていない間も、一人ひとりが指導現場の経験を積んでいく。