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浦和レッズにとってACLはなぜ“こんなにも特別”なのか…「負けたとしても埼スタで必ず取り返せる」「真っ赤なサポーターの笑顔を見るのが」 

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NumberWeb編集部

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posted2023/05/08 17:25

浦和レッズにとってACLはなぜ“こんなにも特別”なのか…「負けたとしても埼スタで必ず取り返せる」「真っ赤なサポーターの笑顔を見るのが」<Number Web> photograph by AFC

ACLトロフィーを手にする関根貴大と伊藤敦樹。浦和レッズとこの大会は切っても切れない歴史がある

「みんなが喜んでいる顔、スタンドの顔も見えて、選手の笑顔もそうだけど、真っ赤なサポーターの笑顔を見るのが一番響くから。それができて良かったと思うし、それをしたかった。これを今後に生かしていかないといけないと思うし、先につなげていく戦いが待っているから」

2019年の屈辱。関根が口にした「浦和を背負う責任」

<名言3>
失点に絡んだのも僕だし、ゴールを決められなかったのも僕なので。浦和を背負う責任が僕にはないと思う。
(関根貴大/NumberWeb 2019年11月25日配信)

https://number.bunshun.jp/articles/-/841593

◇解説◇

〔2019年:浦和ACLの戦績〕
グループステージ:3勝1分2敗(2位通過)
ラウンド16:vs蔚山現代、2戦合計4-2
準々決勝:vs上海上港、2戦合計3-3(アウェイゴール差)
準決勝:vs広州恒大、2戦合計3-0
決勝:vsアル・ヒラル、2戦合計0-3

 浦和はACLで輝かしい実績を残した一方で、同大会で屈辱を味わっている。例えば連覇を目指した2008年には同じJリーグ勢のガンバ大阪との準決勝に敗れた。勢いに乗ったガンバはアジア制覇を成し遂げた一方で、浦和はここから若返りのサイクルに入り、J1残留争いに片足を突っ込む苦難の時期もあった。

 そして記憶に新しいのは、2019年の決勝――宿敵アル・ヒラルにリベンジを許した戦いだ。

 開幕前、リーグとACLの2冠を目標に掲げた浦和だったが、このシーズンも監督交代劇に見舞われた。前年度途中から就任し、天皇杯をもたらしたオズワルド・オリヴェイラ監督がクラブを去り、下部組織の監督などを務めた大槻毅監督が誕生。その風貌から「組長」との愛称が定着した大槻体制はJ1で苦闘を続けながらも、再び“ACL巧者”ぶりを見せつけ、2年ぶりに決勝の舞台へと戻った。

 しかし、再戦となったアル・ヒラルは、チーム力をアップさせていた。かつてイタリアで将来を嘱望されたジョビンコ、フランスのフィジカル型FWゴミス、そして2023年決勝でも対戦したカリージョら各国から集った強力な外国人選手を中心に、後ろからの攻撃構築も整理整頓された相手に対して1点も奪えず、さらに3失点を喫するという完敗を味わった。

「それだけの選手になりたいという思いはあっても、結果を残さなければ意味がないので、今は落ち込んでますけど、浦和に居る限り浦和のために頑張りたいと思います」

 こう語ったのは関根。下部組織時代に大槻監督の下で実力を育んだアタッカーは、海外でのプレーを経て浦和へと戻ってきていた。エースとしての役割を期待されたものの、アル・ヒラルとのリマッチでは輝くことができなかった。

 しかし、その決意は3年半後、同じ対戦相手に実るのだからサッカーは面白い。

 22-23シーズンのACL決勝第1戦は、アル・ヒラルのポゼッションの前に浦和は受ける展開となったものの、辛抱強く耐えて興梠のゴールで1-1のドローと、大きな結果を手にした。先発フル出場した関根は、記者に対してこのように話していたそうだ。

【次ページ】 興梠や西川らは劣勢の決勝第1戦でも落ち着いていた

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