スポーツ名言セレクションBACK NUMBER

浦和レッズにとってACLはなぜ“こんなにも特別”なのか…「負けたとしても埼スタで必ず取り返せる」「真っ赤なサポーターの笑顔を見るのが」 

text by

NumberWeb編集部

NumberWeb編集部Sports Graphic Number Web

PROFILE

photograph byAFC

posted2023/05/08 17:25

浦和レッズにとってACLはなぜ“こんなにも特別”なのか…「負けたとしても埼スタで必ず取り返せる」「真っ赤なサポーターの笑顔を見るのが」<Number Web> photograph by AFC

ACLトロフィーを手にする関根貴大と伊藤敦樹。浦和レッズとこの大会は切っても切れない歴史がある

阿部勇樹「サポーターが一緒に戦ってくれた」

<名言2>
レッズに関わっている方、サポーターが一緒に戦ってくれた。僕らだけでなく、皆さんもそういう雰囲気を感じてくれたと思うし、非常に力強かった。
(阿部勇樹/NumberWeb 2017年11月27日配信)

https://number.bunshun.jp/articles/-/829375

◇解説◇

〔2017年:浦和ACLの戦績〕
グループステージ:4勝2敗(首位通過)
ラウンド16:vs済州ユナイテッド、2戦合計3-2
準々決勝:vs川崎フロンターレ、2戦合計5-4
準決勝:vs上海上港、2戦合計2-1
決勝:vsアル・ヒラル、2戦合計2-1

 浦和が再びアジアの覇権を取り戻したのは、ACL初制覇から10年後、2017年のことだった。浦和は2000年代後半から2010年代初頭にかけて停滞期を過ごしたものの、2012年に就任した「ミシャ」ことミハイロ・ペトロヴィッチ監督体制でポゼッションを高めた能動的なスタイルを、年々成熟させていた。チームもベテランの域に入った阿部、ミシャサッカーを知る槙野智章、柏木陽介に西川周作、そして他クラブから招き入れられた興梠慎三や那須大亮、遠藤航や武藤雄樹に若き日の関根貴大らがミックスされた充実の陣容だった。

 しかし――当時Jリーグが2ステージ制で、シーズン最多勝ち点を稼ぎながらも優勝を逃すなど――ミシャ体制で得たタイトルは2016年のルヴァン杯のみだった。そして迎えた2017年、チームはリーグ戦での苦戦が続き、ミシャを解任。2011年のJ1残留争い時に急きょ監督を務めた堀孝史に再びチームの命運を託すことになった。

「真っ赤なサポーターの笑顔を見るのが…」

 リーグでの不振とは対照的に、ACLでは凄まじい勝負強さを見せた。ラウンド16、準々決勝ではアウェイの第1戦で2点差負けを喫しながらホームでひっくり返すという逆転劇。特に堀体制となってからのフロンターレとの準々決勝では、第2戦で先にアウェイゴールを許しながらも、退場者を出した相手を一気呵成に攻め立て4点を奪うなど、神がかり的な勝ち上がりだった。

 さらに準決勝ではフッキ、オスカルらを寄せ集めるなど“金満化”していた中国サッカーの代表格である上海上港を倒し、決勝では後の宿敵となるアル・ヒラルに対してラファエル・シルバの2戦2ゴールがモノを言って、アジアの頂点へと駆け上がった。

「ミシャがこのチームに残したものにプラスアルファして、堀さんがチームに必要なものを落とし込んでくれた。ミシャと堀さんの力が合わさっての結果だと思う」

 槙野は大会後このように語り、チームの継続性があったことを示唆している。そしてキャプテンを務めた阿部は、熱狂的なサポートをしてくれた人々への感謝をこう告げている。

【次ページ】 2019年の屈辱。関根が口にした「浦和を背負う責任」

BACK 1 2 3 4 NEXT
浦和レッズ
鈴木啓太
阿部勇樹
関根貴大
興梠慎三
岩尾憲
アル・ヒラル
マチェイ・スコルジャ
ミハイロ・ペトロヴィッチ

Jリーグの前後の記事

ページトップ