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浦和レッズにとってACLはなぜ“こんなにも特別”なのか…「負けたとしても埼スタで必ず取り返せる」「真っ赤なサポーターの笑顔を見るのが」 

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NumberWeb編集部

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posted2023/05/08 17:25

浦和レッズにとってACLはなぜ“こんなにも特別”なのか…「負けたとしても埼スタで必ず取り返せる」「真っ赤なサポーターの笑顔を見るのが」<Number Web> photograph by AFC

ACLトロフィーを手にする関根貴大と伊藤敦樹。浦和レッズとこの大会は切っても切れない歴史がある

「これで相手の実力が分かったので、それぞれがよりイメージしやすくなるし、もっと怖がらずにボールを受けられると思います」

興梠や西川らは劣勢の決勝第1戦でも落ち着いていた

<名言4>
 0-1で負けたとしても埼玉で必ず取り返せると、慎三さんや周作さんたち(ACL決勝)経験者が話してくれていた。
(岩尾憲/NumberWeb 2023年4月30日配信)

https://number.bunshun.jp/articles/-/857423

◇解説◇

〔2023年:浦和ACLの戦績〕
グループステージ:4勝1分1敗(2位通過)
ラウンド16:vsジョホールダルル・タクジム、5-0
準々決勝:vsパトゥム・ユナイテッド、4-0
準決勝:vs全北現代、2-2、PK戦3-1
決勝:vsアル・ヒラル、2戦合計2-1

 関根や興梠はアル・ヒラルとの第1戦後「19年よりも弱い」「19年のほうが遥かに強かった」と対戦相手について異口同音に語っていた。その言葉はホーム埼スタに宿敵を迎え入れた第2戦での1-0勝利という結果が雄弁に物語る。

 一方で、第1戦のピッチで起きていた現象は、冷静に見極めていた。立ち上がりからアル・ヒラルにボールを支配され、早々に失点した展開にキャプテンの酒井宏樹が「試合の入りはとても納得のいくものではなかったです」と話したのは、正直な感想だろう。ただ“良くない内容”と認識しながらもバタバタしないのもまた、浦和の逞しさ。岩尾が興梠や西川からかけられた声掛けがそれを象徴するし、興梠自身もこのように語っている。

「立ち上がりに失点したときは、ちょっと嫌な雰囲気になったんですけど、個人的には想定内だったので、慌てることなくできた。0-1で負けたとしても2点目を取られなければホームで取り返せると思っていたので、バランスを崩さず、ワンチャンスが来れば決め切ろうと思っていた」

「クラブW杯では僕たちの真価が問われることになる」

 年をまたいだACL開催の中で、浦和はリカルド・ロドリゲス前監督からマチェイ・スコルジャ新監督へと体制が変更されている。さらに2017、19年と違うのは「新体制で闘うのは決勝戦だけ」というイレギュラーな点だった。そんな状況下でもしっかりと栄光を掴んだのは、今までの経験値があったからこそなのかもしれない。

 鈴木啓太は2007年のACL制覇時、このように語っていた。

「まず、アジアのチャンピオンになった。(中略)世界に通用するクラブになるために、クラブワールドカップでは僕たちの真価が問われることになる」

 今大会での優勝で、浦和は2023年12月のクラブW杯に「アジア王者」として出場することが決定した。なお16年前の冬はカカー、マルディーニらを擁するミラン相手に0-1で敗れたものの大会3位の座を確保し、一定の手ごたえを得た。この冬、クラブW杯の開催地サウジアラビアへと再び乗り込む浦和は、欧州・南米・北中米・アフリカ・オセアニアの列強相手にインパクトを残せるか。

記事内で紹介できなかった写真が多数ございます。こちらよりぜひご覧ください。

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