Number ExBACK NUMBER

ダルビッシュに憧れた少年はなぜ東大からプロを目指すのか? 東大野球部エース井澤駿介「浪人期間は一回も遊ばず…1日12時間勉強してました」 

text by

文藝春秋・編

文藝春秋・編BUNGEISHUNJU

PROFILE

photograph byTakao Fujita

posted2023/04/12 17:00

ダルビッシュに憧れた少年はなぜ東大からプロを目指すのか? 東大野球部エース井澤駿介「浪人期間は一回も遊ばず…1日12時間勉強してました」<Number Web> photograph by Takao Fujita

東大野球部のエースとして活躍し今春からNTT西日本でプレーする井澤駿介。社会人野球からプロへの道を目指している

井澤 プロには行きたかったですけど、自分の実力がともなっていないのと、これは若くして言うことではないですけど、高卒でプロに育成とかで行けたとしても、あとは厳しいと思ったので、まずは大学での成長を目指しました。

ーーそれで浪人をして。 

井澤 はい。

ーー勉強はできたんですか?

井澤 いや、もう(笑)。勉強は全然できてないです。

どうして東大に行こうと思ったのか

ーーじゃあ、どうして東大に行こうと思ったのか。六大学には東大以外もあります。自分の実力を鑑みての判断なのか。東大でやる意義ってなんなのか......。 

井澤 札幌南は設備もそんなによくないですけど、3つ上の兄が高3で、僕が中3のとき、北海を倒したのを見ているんですね。

ーー名門の北海高校ですね。 

井澤 ここに行ったら、勉強もできるし、甲子園も目指せるチャンスがあると思って、そういう環境でやってたんですけど、高校3年のとき、僕は北海に負けちゃって......。いい意味で期待を裏切るっていうか、下馬評をくつがえしたい。そういうところに燃えていました。

ーー最近では甲子園に出るのは、ほとんど私立じゃないですか。北海道でいえば、駒大苫小牧とか、全国から選手を取っています。札幌南みたいに学区の縛りもある公立高校でがんばっているのは、東大と他大学との図式に似ているかもしれません。他大学について、井澤さんからはどういうふうに見えていたんですか。あいつらには負けたくないとか、そういう反骨心みたいなものがあったのか。 

井澤 そうですね。似ているかもしれません。

ーーサッカーでいえば、ジャイアント・キリングみたいな。

井澤 あ、そうです。

浪人期間は1日12時間以上勉強

ーー一般的なイメージでは、甲子園に行くのと、東大に入るっていうのは、同じぐらい大変そうに見えます。さらに東大を本当に勝たせるっていうのは、文武両道でなんとかなる世界じゃないですよね。そもそも東大に行こうっていうのが、すごく大変じゃないですか。 

井澤 浪人期間は一回も遊ばないで、ずっと勉強していました。

ーーどんな生活だったんですか?

【次ページ】 とにかく東大に入ることだけを目指して…

BACK 1 2 3 4 NEXT
井澤駿介
東京大学
早稲田大学
慶應義塾大学
明治大学
法政大学
立教大学

大学野球の前後の記事

ページトップ