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あの言葉のルーツも実はプロレス? 蝶野正洋に裏切られ、武藤敬司に沈められた男の“魂の叫び”…94年新日タッグ戦の“しょっぱい”試合
text by
高木圭介Keisuke Takagi
photograph by東京スポーツ新聞社
posted2023/03/03 11:01
武藤敬司・引退試合のリングに上がった蝶野正洋(2023年2月21日)。2人の戦いをきっかけに生まれた言葉が、今は違った形で定着している
21世紀に入ると、いわゆるネットスラングとして「しょっぱい」から「塩」と単略化されつつ使われ続け、さらにそこから握手会などでファンと直に触れ合うことを売りとしたAKB系アイドルの台頭などにより、ファンに対する無愛想な対応が「塩対応」と称されるようになり、すっかり「21世紀生まれの言葉」として定着してしまった。
「しょっぱい」を世に放ったマシンは2018年6月に引退。そのお膳立てをしたと言える武藤と蝶野は今年2月21日(東京ドーム)に、武藤の引退試合の終了後、「看取り看取られ」といったボーナストラックのようなバトルを披露。石川県知事となった馳は、プロレス出場云々をめぐり地元で叩かれつつ「私は死ぬまでプロレスラー」と言い続けている。あれから29年が過ぎ、当の本人たちすらも忘れていそうな「しょっぱい」騒動だった。
武藤は常にプロレスを「作品」と言い続けてきた。リング上の試合だけでなく、アドリブ全開にして、かなりテキトーで思いつきな「作品」の数々もまた、違った形で世に影響を与え続けてしまっているというのもプロレスの面白きところだ。
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