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有馬記念でイクイノックスを倒すのはタイトルホルダーか、それとも? エフフォーリア“感動の復活劇”なるか「まとめて負かす爆発力を持っている」
text by
島田明宏Akihiro Shimada
photograph byPhotostud
posted2022/12/24 17:00
天皇賞・秋を制したイクイノックスとルメール。有馬記念でも、1番人気が予想される
タイトルホルダーの脚質は“中山向き”
僅差の2番人気になるのはタイトルホルダー(牡4歳、父ドゥラメンテ、美浦・栗田徹厩舎)だと思われる。昨年の菊花賞でGI初制覇を遂げ、今年の天皇賞・春と宝塚記念を圧勝。名実ともに現役最強馬となった。
海外初挑戦となった前走の凱旋門賞では11着と惨敗したが、それでも4頭の日本馬では最先着だった。タフな馬場での激戦からの帰国初戦というのは確かにマイナス材料ではあるが、古くは1969年のスピードシンボリ、2006年のディープインパクト、2010年のヴィクトワールピサ、そして2013年のオルフェーヴルは、凱旋門賞に出走した年に有馬記念を勝っている。しかも、ディープとヴィクトワールの帰国初戦はジャパンカップで、有馬記念は2戦目と、さらにキツいローテーションだった。
ゲートが速く、前に出して行って折り合える脚質は中山向きだ。昨年は5着だったが、あのときとは充実度が違う。
この馬も、勝てば年度代表馬の座をグッと引き寄せる。
過去の成績から…ジェラルディーナもマークすべき
過去5年で牝馬が2勝、2着2回、3着1回と、出走頭数が少ないわりに好走する傾向がある。となると、エリザベス女王杯を完勝したジェラルディーナ(牝4歳、父モーリス、栗東・斉藤崇史厩舎)もマークすべきだ。
母ジェンティルドンナは、ラストランとなった14年のこのレースを制している。
女王杯で1馬身3/4突き放したウインマリリンが、次走の香港ヴァーズを完勝したという力の比較からも、ここを突き抜けるシーンは十分あり得る。
エフフォーリア「感動の復活劇」の可能性は?
昨年の覇者エフフォーリア(牡4歳、父エピファネイア、美浦・鹿戸雄一厩舎)がここで1年ぶりの勝利を挙げれば、「感動の復活劇」として大きなニュースになるだろう。
有馬記念ではドラマが生まれる。1990年には「燃え尽きた怪物」と言われたオグリキャップが優勝。「奇跡のラストラン」として伝説になった。1993年には1年ぶりの実戦となったトウカイテイオーが驚異的な末脚で制し、人々の心を動かした。