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有馬記念でイクイノックスを倒すのはタイトルホルダーか、それとも? エフフォーリア“感動の復活劇”なるか「まとめて負かす爆発力を持っている」 

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島田明宏

島田明宏Akihiro Shimada

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posted2022/12/24 17:00

有馬記念でイクイノックスを倒すのはタイトルホルダーか、それとも? エフフォーリア“感動の復活劇”なるか「まとめて負かす爆発力を持っている」<Number Web> photograph by Photostud

天皇賞・秋を制したイクイノックスとルメール。有馬記念でも、1番人気が予想される

 ニュースやドラマになるのは、それだけ難しいことだからなのだが、エフフォーリアが突出した能力の持ち主であることは言わずもがな。今回は、春に大敗した関西での2戦(大阪杯9着、宝塚記念6着)とは違って当日輸送なので、皐月賞、天皇賞・秋、有馬記念を完勝した昨年同様、直前まで乗ることができる。

 夏は北海道のノーザンファーム空港に移動して立て直し、不安のあった蹄の問題などは解消している。あとは気持ちだけ。本来の前進気勢がどこまで戻っているか。何となく、雰囲気は1990年のオグリキャップのときに似ている。鞍上の横山武史が、32年前の武豊のように「強い馬は強いんです!」と言う結果になるか、注目したい。

エフフォーリアの馬体重は問題ない?

 ジャパンカップを勝ったヴェラアズール(牡5歳、父エイシンフラッシュ、栗東・渡辺薫彦厩舎)も相当な器だ。また、来年2月に引退する福永祐一のラストグランプリの相棒、ボルドグフーシュ(牡3歳、父スクリーンヒーロー、栗東・宮本博厩舎)の末脚には、このメンバーでも通用する破壊力がある。

 ◎イクイノックス

 ○タイトルホルダー

 ▲エフフォーリア

 △ボルドグフーシュ

 過去5年で3歳馬が2勝、2着1回、3着1回と、牝馬同様、出走頭数が少ないわりに好成績をおさめている。古馬より2kg軽い斤量で出られることは、さらに力をつけた今のイクイノックスにとって、きわめて大きなアドバンテージになる。

 おそらく、単騎で逃げたタイトルホルダーが3、4コーナーでリードをひろげて直線に入り、外からイクイノックスが襲いかかる、という形になる。イクイノックスがパンサラッサを差し切った天皇賞・秋に似た展開ではあるが、しかし、東京の直線が525.9mもあるのに対し、中山は310mしかない。勝負所である程度差を詰め、4コーナーを回りながらスパートをかけることになるだろう。

 これらをまとめて負かす爆発力を持っているのがエフフォーリアだ。現に、昨年はタイトルホルダーとの直接対決ですべて先着していた。調教後の馬体重が533kgと、かなり増えているが、大阪杯のそれは521kg、宝塚記念は518kgと、昨年の有馬記念前の521kgとそう変わらなかったのに、結果が出なかった。なので、今回は意識して大きめにつくってきたのかもしれない。

 追い切り後の会見で、横山武史は「生き物は変化するので、今のエフフォーリアはそういう馬なんだと受け止めて、どういうアプローチをしていけるかが大事」と話した。

「今のエフフォーリア」が「オグリの再来」となることを願い、この馬の「がんばれ馬券(単複)」も買って、超豪華グランプリを楽しみたい。

記事内で紹介できなかった写真が多数ございます。こちらよりぜひご覧ください。

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