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有馬記念でイクイノックスを倒すのはタイトルホルダーか、それとも? エフフォーリア“感動の復活劇”なるか「まとめて負かす爆発力を持っている」
posted2022/12/24 17:00
text by
島田明宏Akihiro Shimada
photograph by
Photostud
今年の古馬中・長距離GIの勝ち馬すべてと、昨年の覇者。胸躍るような超豪華メンバーが揃った。
一年を締めくくるグランプリ、第67回有馬記念(12月25日、中山芝2500m、3歳以上GI) のスタートが近づいてきた。
その年の大阪杯、天皇賞・春、宝塚記念、天皇賞・秋、エリザベス女王杯、そしてジャパンカップの優勝馬すべてが有馬記念に出てきたのは、今回が初めて (大阪杯がGIになった2017年以降)。史上最高のドリームレースと言っていい超豪華グランプリで頂点に立つのはどの馬か。
イクイノックスの調教師が絶賛した「天皇賞の1馬身」
1番人気に支持されるのは、管理調教師が「天才」と呼び、主戦騎手が「大好き」と言うイクイノックス(牡3歳、父キタサンブラック、美浦・木村哲也厩舎)だろう。
皐月賞とダービーではともに大外枠から僅差の2着に惜敗。ダービー以来5カ月ぶりの実戦となった前走の天皇賞・秋では、大逃げを打ったパンサラッサを上がり3ハロン32秒7という凄まじい末脚で差し切った。
木村調教師が「最後に鼻差とかではなく、1馬身差で勝ったのが素晴らしかった」と言ったように、ゴールまでのラスト2完歩ほどで並びかけた次の瞬間、1馬身突き放していた。
見た目の着差以上に、実際は大きな差がついていて驚かされる――という同じ経験を、ディープインパクトが勝ったレースでたびたびしていた。それだけゴールを通過する速度が他馬よりずっと速い、ということだ。
鞍上は、そのディープインパクトをハーツクライで破った2005年の有馬記念でJRA・GI初制覇を遂げたクリストフ・ルメール。2016年にもサトノダイヤモンドで制しており、有馬記念が「大好き」だと話している。「大好き」な馬で「大好き」なレースに臨むのだから、当然、好結果が期待できる。
中山は皐月賞で経験しており、あのときの18番枠に比べたら、今回の9番枠ははるかに競馬がしやすい。
勝って、年度代表馬の座を確定させる可能性はかなり大きい。