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吉田麻也「監督、確認しましょう」“W杯初キャプテン”が決戦2カ月前に提案していた“システムの変更”「相手が3バックだった場合…」 

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了戒美子

了戒美子Yoshiko Ryokai

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photograph byKiichi Matsumoto/JMPA

posted2022/11/25 17:15

吉田麻也「監督、確認しましょう」“W杯初キャプテン”が決戦2カ月前に提案していた“システムの変更”「相手が3バックだった場合…」<Number Web> photograph by Kiichi Matsumoto/JMPA

ワールドカップで初めてキャプテンとしてピッチに立った吉田麻也。実は決戦の2カ月前にシステムの変更について森保監督と熟議をかわしていた

監督と話した“いろいろなシチュエーション”

 長く共にプレーした長谷部や他の仲間との別れを「寂しい」とも発言し、次期主将であることを自覚していたからこそプレッシャーを感じての涙でもあっただろう。長谷部から吉田への主将の移行自体は自然ではあったが、おそらく本人としては簡単なことではなかったはずだ。

 この4年半の間、吉田は森保一監督と選手たちの間に入り、サッカーについて具体的な話をしてきたことを明かしている。例えば9月のアメリカ戦では、こんなやりとりがあったという。

「監督とも話して、色々な条件下で試合の流れに変化をつけようとか、試合の中でちゃんと変化をつけられるかを試しても良いですよねと。今日(アメリカ戦)はそれができたと。例えば試合の残り10分、勝っていたり負けていたりいろいろなシチュエーションがあるとして、変化をくわえなきゃいけない時、前からプレスをどうするのか、相手が3バックだった場合どうシステム変更するのかとか、確認しましょうと言いました」

 かなり踏み込んだ話をした上で、「確認しましょう」とまで監督に提案できる。それが吉田主将のあり方だった。

「捕まえるの難しい」吉田が封じたかった2人

 ただ、それは当然ながらリスペクトを欠いた話でもなければ、選手主導で戦術が決まるというような話ではない。

 ドイツ戦、前半は相手に圧倒的に押し込まれ、苦しい時間帯が続いた。耐えきることは「プラン通り」だったと話していたが、ドイツに8割もポゼッションされることは想定以上だったはずだろうし、立ち上がりの4バックから左サイドバックのラウムをあげて3バックにシステム変更してきたことにも対応はできなかった。

 結局、対応できたのはハーフタイム。ベンチからの指示で3バックに変更することで守備的な対応をした。

「まあ2点目を取られるのだけは避けたいなと。(前半終了間際の)VARの時はこれはきつい時間帯に取られたなと思ったんですけど、あれが大きなターニングポイントになったと思うし、後半に入ってシェイプ(システム)を変えてメンバーを変えるということもプランにいれてたので、よくチームとしてまとまってやれたんじゃないかなと思いますね」

 システムを変えたのは具体的に封じたい相手がいたからだ。

【次ページ】 「監督のあれ(指示)ですよ」

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