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酒の肴に野球の記録BACK NUMBER
東大卒投手が戦力外後ナベツネに直撃「“何だこの本は!”とムッとしつつ…」ホークス編成・フロントで経験した“球団経営ウラ話”
text by
広尾晃Kou Hiroo
photograph byKou Hiroo
posted2022/11/17 11:02
東大卒の元プロ野球投手・小林至さんに今までの野球人生と現在を聞いた
2019年に上梓した『プロ野球ビジネスのダイバーシティ戦略』(PHP研究所)は、博士論文「日本における野球独立リーグの勃興の背景と継続の条件-NPB への労働供給市場の変容を切り口として-」を所収しているが、日米のプロ野球チーム、マイナーリーグ、独立リーグの球団のビジネスモデルを比較分析して、プロ野球の経営はどうあるべきかを具体的に説いている。
専門書ではあるが、プロ野球の未来について示唆に富んだ内容だ。
選手であり球団幹部としての専門家として
そして今年、小林氏監修で「サクッとわかるビジネス教養 野球の経済学」(新星出版社)という本が出た。「読む」というより「見る」本で、プロ野球のビジネスの仕組みや選手の待遇、球場と球団の関係などが、2、4ページ単位で豊富な図解とともに説明されている。
今年もドラフトで多くの若者がプロ入りしたが、彼らが入るプロ野球とはどんな社会、組織なのか、を大づかみに知るうえで必読の書だろう。さらに、独立リーグや社会人を志向している若者は、野球以外にどんな生活、待遇が待ち受けているかを知るうえで必読だ。
「このシリーズは評判が良くて、編集者が優秀なんですね。私は野球のビジネスの側面に、もっと注目してほしいと思っています。特に若い選手に、ぜひ読んでほしいですね」
プロ野球を「ビジネス」「マーケティング」で論じる人はこれまでもいたが、選手、そして球団幹部として現場で取り組んだ経験を有する専門家は小林氏だけではないか。今後の活動が注目される。
<#1からつづく>
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