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「背後からスゴい速さで…」アントニオ猪木が徹底した“多摩川の早朝ラン”、クソ真面目な鍛錬が「猪木プロレス」に必要だった理由 

text by

高木圭介

高木圭介Keisuke Takagi

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photograph byMakoto Kenmizaki

posted2022/10/03 17:00

「背後からスゴい速さで…」アントニオ猪木が徹底した“多摩川の早朝ラン”、クソ真面目な鍛錬が「猪木プロレス」に必要だった理由<Number Web> photograph by Makoto Kenmizaki

弛まぬ努力を続けてプロレス界を牽引してきたアントニオ猪木

 プロレスは数多いプロスポーツの中でもかなり特殊だ。練習の段階では、確実にスポーツであり格闘技なのだが、観客の前で披露するパフォーマンスは、必ずしも練習とイコールとはならない……というか、かなり違ったケースも多い。単なる肉体的資質や鍛えられた体力だけでなく、「観客に何を魅せるのか?」といった芸術的センスも、常にケース・バイ・ケースで問われ続ける難しい世界だ。

 そういう意味で、鍛錬は徹底的にクソ真面目にして、実際にリング上で魅せるパフォーマンス面において「馬鹿になれ!」という猪木の姿勢こそがプロレスラーの矜持なのでは?とも思えてくる。

 プロレスラーに限らずだが、有名人の訃報が入ると、猪木に追悼コメントをもらいに行くことが多かった。そこでの猪木は必ずや「オレは普通の人とは死生観が違うからなぁ」と前置きしつつ、あれこれと話してくれるのが常だった。そんな時、よく「三途の川」の例え話もしていた。難病との闘いの日々が明かされて以降、35年前と同じく、三途の川の渡し船でも乗船拒否されて欲しいものだと願っていたが、それは叶わなかった。

 24時間、常に燃える闘魂であり、アントニオ猪木であり続けた人だ。今度こそ、ゆっくりとお休みください……と言うべきところなのだが、「ムッフフ。実は今、また大きなプランが動き出していてね」なんて、あの世でもゆっくりなどしていなそうなのもまたアントニオ猪木だ。合掌。

記事内で紹介できなかった写真が多数ございます。こちらよりぜひご覧ください。

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