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「タナより泣いちゃったと思います」とファンも万感…鈴木みのるが歓喜し、棚橋弘至が涙した“新日本プロレスに声援が戻った日”
text by
原悦生Essei Hara
photograph byEssei Hara
posted2022/09/11 17:00
約2年半ぶりとなるファンの歓声に手を振って応える棚橋弘至。試合後には「うれしすぎて、何も浮かんでこない」と感激の涙を流した
政府は9月8日付で基本的対処方針ならびにイベント開催制限を見直した。それを受けて、Jリーグは9月9日付で声出し応援に関するガイドラインを改定し、「声出し応援エリア」と「それ以外の観戦エリア」を明確に区分して開催することを条件に、声出し応援エリア以外の観戦エリアの入場制限を従来の50%から100%へ変更し各クラブへ通達した。声出し応援エリアは、感染対策上、座席間隔を空ける必要があることから、これまで通り50%上限での運用になる。
これは仮に3万人収容のスタジアムをエリアごとに半分に分けた場合、声出しエリアで7500人、その他で15000人、合計22500人まで入場が許可されるという計算だ。
今回の改定に伴い、より多くの試合で声出し応援が戻ってくることが期待される。一方、観客に対しては、感染リスクを抑える対策として、声出し応援席の利用時には、不織布マスクの着用、隣同士の座席間隔を1席ずつ保つこと、ピッチと同じ方向を向いて応援すること、アルコール飲料の持ち込みの禁止など、引き続きガイドラインの遵守の協力を求めている。
この改定は今後のプロレスの声出し応援可能試合を増やすうえでも明るい材料になった。
欧米に比べると遅れはあるが…
9月7日から海外旅行客の添乗員なしでの入国が可能になり、1日の入国者数の上限も2万人から5万人に引き上げられた。日本人が帰国の際に滞在国で強いられた搭乗72時間以内のPCR検査と、日本の厚労省の書式による陰性証明書も必要なくなった(ワクチン3回目の接種証明が条件)。
「やっと」という感じはある。
現実として、欧米と比較して半年から1年は遅れていると思われる日本政府のコロナに関する対応を考えると、年が明ければ、2023年1月にはどうにか声出しに関する制約はなくなるのではないか、と期待することはできる。だが、日本では条件として、さらに少なくとも半年はマスク着用を強いるのであろうということは推測できる。防疫上の問題に加えて、日本という国は、ヨーロッパやアメリカのように簡単に割り切れない国民性だからだ。
ともあれ、新日本プロレスに久しぶりに声援が帰ってきた。
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