「勝てるまでやめない。たとえ90歳になっても」スターダムの“未勝利レスラー”月山和香が語る宿敵・桜井まいへの複雑な思い《特別グラビア》

　月山和香は2021年9月、スターダムのリングにやってきた。もうそれから1年が経つが、いまだ彼女は「未勝利」のままだ。勝てない女は、いつ勝つことができるのだろうか。

「私には闘争心がないのかも。昔から自分と人を比べるのは苦手なんです。みんなと比べたらビリでも、昨日の私より成長していたら満足しちゃう」

　闘争心がないと言いながらも、月山はプロレスを続けている。

「プロレスって痛いし苦しいけれど、本当にめちゃめちゃアドレナリンが出るんです。お芝居と比べても、量が全然違います。プロレスほど爽快な気持ちになれるものはないですね。だから、続けられるうちは続けていたい」

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アンチの存在は「小石くらいにしか感じない」

　同時に、シビアな世界でもある。勝てない月山のもとには様々な声が届く。

「アンチのコメントもいっぱい来ますよ。でも、私はアンチには強い。小石が転がっているくらいにしか感じない。『今日、風強いから小石多いな。風下か』くらい。その小石を見るか見ないかは私の選択。でも、誹謗中傷はダメですよ。法学部出ていますから（笑）。日本は法治国家ですからね。そこはしっかり言っておかないと」

　むしろ月山には、自分以外のレスラーを心配する余裕さえあるようだ。

「スターダムの選手って、みんなプロ意識が高いんです。少しくらい素人っぽい人もいると思っていたら、そんな人はいなかった（笑）。私はリングを降りたら、ボロボロの服を着てすっぴんで歩けます。でも、みんなはそうしない。『メリハリがなくて大丈夫なのかな？』と勝手に心配しています。みんなオフの日もアドレナリンが出ている感じですね」

　いまだ未勝利であることを、本人としてはどう捉えているのだろうか。

「勝ちたいです。具体的には、桜井まいに勝ちたい。桜井まいがコズエン（コズミック・エンジェルズ）を裏切ってDDM（ドンナ・デル・モンド）に入った時、初めて本気で勝ちたいと思った。弱いから、勝てないのは仕方がない。でも、桜井にだけは絶対勝ちたい。弱くても3カウント入る前に返せば負けないわけですよ。もちろん他の試合も勝てたらいいですけど、桜井まいは特別ですね」

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