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プロ野球PRESSBACK NUMBER
カープ名捕手・達川光男が明かす“あの伝説の真相”「“ささやいた”ことは神に誓って、ない!」「昔はハードレンズだったからね」
posted2022/08/30 17:26
text by
佐藤春佳Haruka Sato
photograph by
BUNGEISHUNJU
野球解説者・達川光男氏といえば、広島カープの昭和の黄金期を支えた扇の要だ。一方で、さまざまな「伝説」の持ち主としても知られる。デッドボール、ささやき戦術、コンタクトレンズ大捜索……。もはや球界の都市伝説となった数々の「逸話」は本当なのか? 真相を探るべく突撃すると、意外な答えが返ってきた。(全2回の後編/#1「WBC」編へ)
現役時代、広島カープで5度のセ・リーグ制覇を経験した達川氏。屈指の頭脳派捕手として知られる一方で、古き良き野球界の名物番組「プロ野球珍プレー・好プレー大賞」(以下「珍プレー」)の“常連”として全国に知れ渡ったあの姿も忘れられない。
「珍プレー」でおなじみ“死球伝説”
達川氏の伝説といえば最初に挙がるのが「デッドボール」だ。体付近にかすった(かのように見える)投球に対して顔をしかめて必死に死球をアピール。あるいは痛みをこらえるように一塁へと歩き出し、球審に止められる、などのシーンは、みのもんたの軽妙なナレーションに乗せて何度も取り上げられた。
――15年間の現役生活の通算死球数は「62」です。今だから、ということで、実際のデッドボールの数はいくつくらいだったのでしょう?
「どうだろう、実際は65、66個くらいいってるんじゃないかな」
――え! 逆に多いパターンですか。実際にカウントされていないデッドボールが3、4個あるということでしょうか。
「本当に当たっても(塁に)出してもらえなかったこともあるよ。すねから血が出てるのにさ。ストッキングを脱いで見せても信じてもらえなかったね」