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「毎週のように生理が…」女子体操・杉原愛子22歳が悩み、考えた“生理の問題”「レオタードには相当気を使う」「男性コーチにも知ってほしい」
posted2022/08/08 11:01
text by
矢内由美子Yumiko Yanai
photograph by
Asami Enomoto
高校生で日本代表入りを果たし、第一線で戦い続けてきた彼女に、女性アスリートをめぐる生理や体重管理の問題などについて話を聞いた。(全3回の特別インタビュー2回目/#1、#3へ)。
五輪に2度出場し、7年連続で日本代表として世界と戦ってきた杉原には、これからの女性アスリートたちがより輝けるように、女性特有の悩みを改善していきたいという願いがある。そのためには女性アスリート自らが問題点を発信することが重要。メディアを通じて、多くの人にジェンダーの問題を目にしてもらうことによって、理解が進み、解決の糸口も増えていくと考えている。
タブー視されていた“生理とレオタード問題”
たとえば、かつてはタブー視されていた生理の悩み。杉原が指摘するのはレオタードについてだ。
「生理の時のレオタードには相当気を使います。試合が生理前や生理中だったりすると、試合に集中したいのに別の不安が出てきます。私の場合、試合が生理とかぶることが何度もあったので、漏れていないかなと気になって、競技に集中できない難点がありました」
他の競技でも白のユニフォームは心配だという声を聞くが、体操は動きがダイナミックなため、よりデリケート。また、急に始まるのも生理のやっかいなところで、日頃から基礎体温を測っていても、予測しきれない時がある。
そんなアスリートたちの助けになると期待されているのが、生理の経血を吸収する吸水下着。アスリート用に最近開発が進んでいる下着は、性能がかなり良くなっており、杉原も試用してみたところ、かなりの好感触だという。
「ナプキンやタンポンといった生理用品をつけていなくても吸水量が多く、消臭効果も高い。仮に突然生理になってもそれを履いていたら吸収してくれるという安心感があります」
杉原がデリケートな問題を積極的に語るのは、「男女を問わずひろく知られることによって生理用品も変わっていくだろうし、薬なども変わっていくだろうと期待しているから」だ。
「生理のつらさは男性には分からない。だからこそ…」
生理の悩みを、男性コーチにも知識として持っていてもらいたいとの思いもある。
「体操クラブでは、男性コーチが女子選手を教えているところも多いと思うので、男性にも生理のことを分かってもらったうえで指導をしてほしい。生理でしんどいのに何も言えず、そのまま練習を続けていては、ケガにつながりかねません」
初潮を迎えてもコーチに言いにくいなど、10代前半の選手の心理状態は繊細だ。杉原は、「男だから知らないではなく、指導者と選手が互いにきちんと向き合うべきです。生理のつらさは男性には分からないこと。だからなおさら、適切なコミュニケーションが必要です」と強調する。