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「なぜ6試合も延期できる?」巨人に問うファンへの謝罪と次にやるべきこと「選手にとってはシーズン中の1試合かもしれないが…」《大規模クラスターを巡って》 

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鷲田康

鷲田康Yasushi Washida

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posted2022/08/05 11:00

「なぜ6試合も延期できる?」巨人に問うファンへの謝罪と次にやるべきこと「選手にとってはシーズン中の1試合かもしれないが…」《大規模クラスターを巡って》<Number Web> photograph by KYODO

後半戦、阪神から初勝利をあげファンに応える巨人・原辰徳監督、桑田真澄コーチ、阿部慎之助コーチたち

 もちろん延期決定そのものは致し方ないものだった。しかし最初に中日戦を延期した際の説明が、全く具体性を欠いていたことでファンの不満が増幅された可能性は高いと思う。

 というのも中日戦3試合の延期が決まった際は、NPB(日本野球機構)の井原敦事務局長が会見で中止決定の経緯を説明している。その時に個別具体的に試合をできない理由が明示されず「チーム編成ができない」という、大枠の理由しか明らかにしなかったからだ。

試合ができない理由と曖昧な説明

 巨人が試合ができない具体的な理由は、感染による内野手不足だった。クラスターが爆発した7月22日時点で、感染を免れて一軍の試合に出場できる支配下登録の内野手は5人だけ。しかもそのうち坂本勇人内野手と若林晃弘内野手はコロナとは関係ない故障での戦線離脱で、試合出場は不可能だった。実質的には内野手が3人(翌日に菊田拡和内野手も陽性が判明し2人)しかいなくなったことが、試合をできない最大の理由だった。

 ところが延期が決まったときに、内野手の絶対数が足りないということを示さずに、「チーム編成ができない」と非常に曖昧な言葉の説明しかなかった。ファンは支配下登録の内野手が何人残っているなどということは、あまり調べないし、「チーム編成ができない」という言葉には、どこがどうできないのかという疑問しか残らない。そこで、「ヤクルトはあれだけ中心選手が離脱しても、やりくりして試合を行なったではないか」という声が出てしまうのは仕方ないことだった。

 一方、オールスター明けのDeNA戦について、練習復帰はできても、ほぼ1週間、ほとんど強めのトレーニングをしていなかった選手の筋力低下などの問題は、想像以上に深刻だということには頷ける。

全力疾走や全力投球の機会が全くなく…

 DeNA戦の延期決定の際には、2度にわたって延期決定に至った理由をホームページなどでファンに説明。3試合目の延期が決まった際にも、次のようにホームページでファンに状況を説明している。

「復帰した内野手11人全員、1週間~10日の自宅隔離期間中、全力疾走や全力投球をする機会が全くなく、自室での器具を使ったトレーニングや素振り程度しか体を動かすことができていませんでした。このうち、最も早い27日に復帰した3人について、29日夕方の時点で、この3日間のトレーニングの結果を確認したところ、3人とも上半身及び下半身の筋力が公式戦に出場できる水準に戻るにはまだ数日かかり、このまま31日の試合に出場させた場合、大きな故障につながりかねないことから、3人とも31日にベンチ入りさせることは不可能と判断いたしました。残る8人についても、コンディションの回復状態はこの3人以下の状態です」

【次ページ】 一連の巨人の対応で引っかかること

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