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欧州サッカーPRESSBACK NUMBER
イギリス重鎮記者がリバプール南野拓実を“本音で総括”「ミナミノは大活躍ではないが大きな功績」「セカンドトップがベストだったが…」
text by
田嶋コウスケKosuke Tajima
photograph byJan Kruger/Getty Images
posted2022/07/13 17:02
22年5月、リバプールでのトロフィーパレードに参加した際の南野拓実
「南野はリバプールで大活躍をしたわけではないが、自身の役割をキッチリこなした。立ち位置は、あくまでもバックアッパー。モハメド・サラー、サディオ・マネ、ルイス・ディアス、ディオゴ・ジョタ、ロベルト・フィルミーノに次いで、FWの6番手だったが、出場すれば結果を残した。しかも、優勝したFA杯とリーグ杯ではチーム得点王に輝いた。南野が先発した試合は下位チームとの対戦が多かったが、自身のゴールでチームを勝利に導いた功績は大きい。役割をまっとうした」
“リバプールの控え選手”が抱える難しさ
ノースクロフト記者が指摘したのは、リバプールのような強豪クラブでの競争の激しさ、そして控え選手の抱える難しさだった。
「リバプール移籍の決め手となった、19年10月の欧州CLリバプール対ザルツブルク戦。オーストリアの名門クラブの一員として先発した日本代表は、アンフィールドで1ゴール、1アシストの眩しい輝きを放った。はたして、リバプールでどんなプレーを見せてくれるか。そう期待したが、あの試合で覚えた興奮は残念ながらアンフィールドで味わえなかった。
だが今のリバプールで、前線のレギュラー陣に割って入るのは容易ではない。特にフロントラインの競争は熾烈を極める。昨シーズンはジョタやフィルミーノのワールドクラスでさえ常時出場は叶わなかった。
試合に常時出場することの重要性は、ここで多くを語るまでもないだろう。ピッチに立ち続けることでチームへの影響力は増し、周囲との連携も深まる。そして、選手自身も毎試合出場することでマッチフィットネスが向上する。もちろんトレーニングでも収穫はあるが、プレー強度がまるで違う試合で得られるものには敵わない。
南野はアピールが必要な立場にあったが、毎試合ピッチに立てなかったことでリズムを掴めなかった。周囲との相互理解もなかなか進まなかったと思う。この点はバックアッパーの抱える難しさだろう」
記者が「それでも……」と評価した試合とは
ノースクロフト記者は「それでも……」と続ける。
記者が注目したのは5月17日の国内リーグ・サウサンプトン戦のゴールだった。公式戦で約2カ月ぶりに出番を与えられた南野は、この試合で貴重なゴールを奪取。昨季のリーグ初先発となった試合でネットを揺らし、2-1の勝利に貢献した。