- #1
- #2
欧州サッカーPRESSBACK NUMBER
イギリス重鎮記者がリバプール南野拓実を“本音で総括”「ミナミノは大活躍ではないが大きな功績」「セカンドトップがベストだったが…」
posted2022/07/13 17:02
text by
田嶋コウスケKosuke Tajima
photograph by
Jan Kruger/Getty Images
日本代表FW南野拓実のフランス1部モナコへの移籍が決まり、20年1月に加わったリバプールでの挑戦は終わりを告げた。
世界最高峰のリバプールで、はたして日本代表FWがどこまでやれるか。ここに大きな注目が集まったが、活躍した試合もあれば、乗り越えられない壁に苦しんだ時期もあった。嬉しさと悔しさが入り混じる、複雑な2年半だった。
クロップ「タキは素晴らしいプロフェッショナル」
今シーズンは公式戦で10ゴールを挙げ、FA杯とリーグ杯ではチーム得点王に輝くなどカップ戦を中心に活躍した。一方、レギュラー陣の壁を打ち破れず、国内リーグではベンチを温める試合が続いた。途中出場を含めてリーグ戦でピッチに立ったのは約3分の1。しかも、欧州チャンピオンズリーグ決勝やFA杯決勝、リーグ杯決勝といった大一番でも出番はなかった。
リバプールに在籍した2年半全体を振り返っても、バックアッパーの位置づけから脱却できなかった。入団時も控えからスタートしたが、本人は現状に満足していないとの発言を繰り返してきた。いかにレギュラーに近づけるかが最大の目標だったが、勝負の年となった3年目の昨季はむしろ出場機会が減り、ベンチに座ったまま試合終了のホイッスルを聞く試合が増えた。
ただしバックアッパーとして、南野は自身の役割をきっちりとこなした。FA杯で3ゴール、リーグ杯で4ゴールをそれぞれ挙げ、チームを戴冠に導いたのはそのひとつ。公式戦10ゴールはチーム5位の成績だ。
南野の退団決定時、ユルゲン・クロップ監督は「タキ(南野)は素晴らしいプロフェッショナルで、スーパーな才能の持ち主。リバプールでうまくいかなかったという人がいるかもしれないが、それは間違っている。彼の貢献は、出場チャンスを大幅に上回るほど大きかった。彼のパフォーマンスとゴールがあったからこそ、我々は優勝を重ねることができた」と賛辞を送った。
多少のリップサービスはあるにせよ、クロップ監督の本心から出た言葉だったと思う。サラーやマネといったワールドクラスが集うリバプールFW陣の中で、南野を使いたくても思うように起用できない、もどかしさもあったのではないか。
イングランドの重鎮記者は南野をどう評価したか
だが、勝ち負けがすべてを決める勝負の世界で、南野が積極的に起用されなかったのもまた事実である。クロップ監督の高い評価と、実際の試合出場数が一致しない印象が強かった。
では、英紙の記者は南野の挑戦をどう見ているか。英高級紙サンデー・タイムズでサッカー部門の主筆を務めるジョナサン・ノースクロフト記者は次のように語った。