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イギリス重鎮記者がリバプール南野拓実を“本音で総括”「ミナミノは大活躍ではないが大きな功績」「セカンドトップがベストだったが…」

posted2022/07/13 17:02

 
イギリス重鎮記者がリバプール南野拓実を“本音で総括”「ミナミノは大活躍ではないが大きな功績」「セカンドトップがベストだったが…」<Number Web> photograph by Jan Kruger/Getty Images

22年5月、リバプールでのトロフィーパレードに参加した際の南野拓実

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田嶋コウスケ

田嶋コウスケKosuke Tajima

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Jan Kruger/Getty Images

 21-22シーズン、プレミアリーグ得点王を獲得したソン・フンミンと、リバプールでの2年半の挑戦を終えた南野拓実。2人のイングランドでの“リアルな評価”を現地在住ライターが記した(全2回の2回目/ソン・フンミン編からの続き)

 日本代表FW南野拓実のフランス1部モナコへの移籍が決まり、20年1月に加わったリバプールでの挑戦は終わりを告げた。

 世界最高峰のリバプールで、はたして日本代表FWがどこまでやれるか。ここに大きな注目が集まったが、活躍した試合もあれば、乗り越えられない壁に苦しんだ時期もあった。嬉しさと悔しさが入り混じる、複雑な2年半だった。

クロップ「タキは素晴らしいプロフェッショナル」

 今シーズンは公式戦で10ゴールを挙げ、FA杯とリーグ杯ではチーム得点王に輝くなどカップ戦を中心に活躍した。一方、レギュラー陣の壁を打ち破れず、国内リーグではベンチを温める試合が続いた。途中出場を含めてリーグ戦でピッチに立ったのは約3分の1。しかも、欧州チャンピオンズリーグ決勝やFA杯決勝、リーグ杯決勝といった大一番でも出番はなかった。

 リバプールに在籍した2年半全体を振り返っても、バックアッパーの位置づけから脱却できなかった。入団時も控えからスタートしたが、本人は現状に満足していないとの発言を繰り返してきた。いかにレギュラーに近づけるかが最大の目標だったが、勝負の年となった3年目の昨季はむしろ出場機会が減り、ベンチに座ったまま試合終了のホイッスルを聞く試合が増えた。

 ただしバックアッパーとして、南野は自身の役割をきっちりとこなした。FA杯で3ゴール、リーグ杯で4ゴールをそれぞれ挙げ、チームを戴冠に導いたのはそのひとつ。公式戦10ゴールはチーム5位の成績だ。

 南野の退団決定時、ユルゲン・クロップ監督は「タキ(南野)は素晴らしいプロフェッショナルで、スーパーな才能の持ち主。リバプールでうまくいかなかったという人がいるかもしれないが、それは間違っている。彼の貢献は、出場チャンスを大幅に上回るほど大きかった。彼のパフォーマンスとゴールがあったからこそ、我々は優勝を重ねることができた」と賛辞を送った。

 多少のリップサービスはあるにせよ、クロップ監督の本心から出た言葉だったと思う。サラーやマネといったワールドクラスが集うリバプールFW陣の中で、南野を使いたくても思うように起用できない、もどかしさもあったのではないか。

イングランドの重鎮記者は南野をどう評価したか

 だが、勝ち負けがすべてを決める勝負の世界で、南野が積極的に起用されなかったのもまた事実である。クロップ監督の高い評価と、実際の試合出場数が一致しない印象が強かった。

 では、英紙の記者は南野の挑戦をどう見ているか。英高級紙サンデー・タイムズでサッカー部門の主筆を務めるジョナサン・ノースクロフト記者は次のように語った。

【次ページ】 イングランドの重鎮記者は南野をどう評価したか

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