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ソン・フンミンと日本人プレミアリーガーの意外な接点… 吉田麻也への「誇り」と“岡崎慎司の予言”とは〈得点王の現地リアル評〉
posted2022/07/13 17:01
text by
田嶋コウスケKosuke Tajima
photograph by
Tottenham Hotspur FC/Getty Images
トッテナムのソン・フンミンが、プレミアリーグの得点王に輝いた。
韓国代表FWは最終節のノリッチ戦で2ゴールをマークし、得点記録を23点にのばした。この結果、リバプールのFWモハメド・サラーと得点数で並び、アジア人として初めて「プレミア得点王」の称号を獲得した。
これまでの戦歴を振り返ると、ソンはシーズンを重ねるごとに成長を続けてきた。
世界中の猛者が集うプレミアリーグで2016-17シーズンから6季連続で2桁ゴールを記録。昨シーズンは17ゴール、今シーズンは23ゴールと得点数を伸ばした。しかも今季は23ゴールの内、PKによる得点はひとつもない。サラーのPKによる得点数は「5」で、PKを除いたゴール数では、ソンがリーグ単独トップの得点を叩き出した。
活躍はスタッツにも表れている。プレミアでの総シュート数「86」はリーグ10位だが、枠内シュート率56.9%はリーグ3位の数字。精度の高いシュートを放つ、ソンの強みが発揮された1年だった。
得点王を獲得したソンは喜びを次のように語った。
「本当に幸せ。ゴールデンブーツ像をこの目で見て、感慨深いものがあった。子供の頃、この賞を夢見ていたからだ。この手で掴んでも、まだ信じられない気持ち。チームメイト、ファン、コーチングスタッフの助けがなければ、実現しなかった。本当に感謝している。受賞に秘密はない。自分のことを信じて、常にハードワークを続けてきた」
今やソンは、ドイツ時代とは別人だ
トッテナムの背番号7に、英メディアも賛辞を並べた。英スポーツサイトのアスレティックは特集記事を掲載し、ドイツ経由でプレミアリーグに渡ってきたソンの成長を褒めた。
「ソンにとって、今シーズンは最高の1年だった。優勝争いをしていたチームではなく、4位のスパーズで得点王となった。その事実は、韓国代表がチームの力を飛躍的に高められる存在であることを示した。
興味深いのは、プレミアリーグでストライカーの才能を伸ばしたこと。前所属のレバークーゼン時代は、2年かけて通算21ゴールを決めた。この成績から考えれば、プレミアで得点王を獲得する選手になるとは思えなかった。今やソンは、ドイツ時代とは別人だ。プレーは自信に溢れ、試合に大きな影響力をもたらすことができる。ソンがマーカーを抜いてドリブルで引き離していくのは、今季プレミアで最も美しいシーンのひとつだった」
誰も彼のことをアジア人の枠組みでは見ていない
また、英紙サンデー・タイムズで主筆を務めるジョナサン・ノースクロフト記者は、別の視点でソンの功績を称えた。