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“日本代表が狙うべきスペインの急所”はどこ? ブスケッツやアセンシオ健在、17歳ガビ急成長で分厚すぎる選手層だが…〈撮影者の証言〉
posted2022/06/21 17:00
text by
中島大介Daisuke Nakashima
photograph by
Daisuke Nakashima
カタールW杯まで残すところ半年となる6月頭の2週間の国際Aマッチデー。
欧州では、この期間がUEFAネーションズリーグの試合にあてられた。W杯で日本代表とグループを同じにするスペイン代表は、ポルトガル、スイス、チェコとの試合を行なった。その中のスペインホームで行われた2試合を撮影した。
C・ロナウドとスペインのファンが触れあっていた
6月2日、セビージャで行われた対ポルトガル戦。
CL決勝から1週間も経っていないこともあり、レアル・マドリーのカルバハル、アセンシオはベンチ入りしたものの出場はせず、リバプール所属ポルトガル代表のジョタはベンチからも外れた。
会場となったベティスのホームスタジアム、ベニート・ビジャマリンには、赤いユニホームを纏ったスペイン代表を応援するサポーターが集まった。スペイン代表ユニフォームを身に纏ったサポーターながら、ポルトガル代表のC・ロナウドへ歓声を送るファンの姿も多く見られた。それに応えるかのように、サブスタートとなったC・ロナウドが、スペインのファンへ挨拶するようなシーンもあった。
キックオフからスペインが採用したシステムは、4-3-3。前半25分、CFに入るモラタがサラビアからのクロスを押し込んで幸先よく先制点を奪った。攻撃の起点となったのはバルサ所属17歳のガビ。同じくバルサ所属のボランチ、ブスケッツと左SBジョルディ・アルバのサポートを受け、自由にピッチを駆け回っていた。
久保が口にした「ベルナルド・シウバ理論」
スペインの守備面に目を移すと、ポルトガル10番、マンC所属のベルナルド・シウバを捕まえることに難儀し、危険な場面を作られていた。しかし東京五輪に出場したGKウナイ・シモン、CBパウ・トーレスに加えて右SBアスピリクエタ、CBのディエゴ・ジョレンテがポルトガルの攻撃を跳ね返した。
JFA公式YouTubeで“パラグアイ戦の舞台裏”として公開された動画内で、久保建英が実践していると口にした「ベルナルド・シウバ理論」が話題になった。ポルトガルの10番はまさに――自陣向きにドリブルしながら、右へ左へとステップして身体に触れさせもせずに――カルロス・ソレールからのプレスをかわす。そんなシーンを撮影することができた。
またシーズン途中にマンCからバルサへと移籍したフェラン・トーレスと対峙する場面も多く見られたが、格の違いを見せつける形となった。