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“日本代表が狙うべきスペインの急所”はどこ? ブスケッツやアセンシオ健在、17歳ガビ急成長で分厚すぎる選手層だが…〈撮影者の証言〉
text by
中島大介Daisuke Nakashima
photograph byDaisuke Nakashima
posted2022/06/21 17:00
ネーションズリーグで安定した強さを見せるスペイン代表。急所はどこにある?
リードするスペインは、モラタに代えエスパニョールで活躍するラウール・デ・トーマスらを投入。新たなメンバーの組み合わせを試しつつ、ローテーションも考えた試合運びを行なった。
1点ビハインドのポルトガルは62分にC・ロナウドを投入するなど攻勢に出ると、試合終盤の82分、カンセロがスペインの左サイドを突破。そこから入れたクロスをリカルド・オルタが蹴り込み、1-1の同点としてこのままタイムアップを迎えた。
なおC・ロナウド投入時には、一際大きなブーイングとともに歓声も響き、リーガから居なくなった今もなおスター性を感じさせるシーンだった。
ボランチにロドリ、両ウイングの定位置争いも熾烈
アウェイでのチェコ戦を引き分け、スイスに勝利したスペインは、6月12日、マラガでチェコ戦を迎えた。2週間で4試合を戦うという日程的な面もあってかローテーションの要素が強く見られる連戦となり、ポルトガル戦から大きくメンバーの変更が行われた。ただし基本システムは変更なく、4-3-3の布陣となった。
大きなチェックポイントとしては、本来ブスケッツが務めるボランチの位置に入ったロドリの出来だったか。
ロドリはマンCで見せている活躍ほどの出来をスペイン代表では見せられておらず、W杯を見据えてもレギュラー奪取のために大事な一戦となった。また両ウイングのポジション争いも、この日先発したオルモ、アセンシオに加え、フェラン・トーレス、サラビア、ガビと熾烈を極めている。
CFにはモラタが入り、右サイドからはアセンシオ、左サイドではダニ・オルモが積極的に仕掛ける姿を撮影できた。試合は24分、キャプテンマークを巻いたコケのフィードから、アセンシオのクロスをソレールが押し込みスペインが先制した。
試合はその後も実力的に上回るスペインがポゼッションする時間が長く続いた。ただ、チェコが前線から守備をハメてくると、スペインは回避しきれず、カウンターからピンチを招くシーンも多く見られた(最後の砦であるGKウナイ・シモンが好守備でチームを救った)。
しかしそのシモンも、足元の技術で拙さを見せてピンチを招くシーンがあった。スペインと対戦する日本としては、状況によってGKまで積極的にプレスをかけたいところか。
後半に入って59分、監督のルイス・エンリケはモラタに代えてフェラン、ソレールに代えてガビを、72分にもアセンシオに代え、サラビアを投入した。
その際にはシステムこそ変わらないものの、CFのポジションにサイドのアセンシオやオルモが入るなど、各選手が複数のポジションをこなすシーンが見られた。