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“日本戦必勝モード”コスタリカは「相手がすべてW杯優勝国・魔の組首位→8強」経験あり… 世界的GKナバス以外の“難敵要素と弱点”
posted2022/06/19 17:02
text by
沢田啓明Hiroaki Sawada
photograph by
Matthew Ashton - AMA/Getty Images
35歳のGKケイロル・ナバス(パリ・サンジェルマン)が、ひょうきんな仕草で踊る。決勝点をあげたFWジョエル・キャンベル(モンテレイ)が、スタンドからピッチへ飛び降りた夫人とひしと抱き合う。他の選手は、スタンドのファンに向かって渾身のガッツポーズを繰り返す……。
2022年ワールドカップ(W杯)のグループステージ(GS)で日本が2戦目で対戦する相手が、コスタリカ(北中米カリブ海4位)に決まった。6月14日にライヤーン(カタール)で行なわれた2022年W杯の大陸間プレーオフでニュージーランド(オセアニア1位)を1-0で下し、3大会連続通算6度目の出場を決めたのである。
コスタリカは“勝ち点3が計算できる”相手なのだろうか
日本では、W杯組み分け抽選が行なわれて以降、コスタリカとニュージーランドの勝者に勝つことを前提として、「どうやってドイツ、スペインから勝ち点を奪ってグループ2位以内に食い込むか」という論議が多かった。しかし、コスタリカは日本が勝ち点3を計算できるほど簡単な相手なのだろうか。
チームの主要フォーメーションは、4-4-2。高い位置から連動してプレスをかけることは少なく、中盤以降で網を狭めて相手ボールを奪い、主としてサイドから攻める。
フィールドプレーヤーで傑出した選手はいないが、運動量が多く、誰ひとりとして守備をさぼらない。
監督は62歳のコロンビア人、ルイス・フェルナンド・スアレス。現役時代はCBで、コロンビアの強豪アトレティコ・ナシオナルなどで活躍した。
1999年、指導者の道に入り、2004年、エクアドル代表の監督に就任。2006年W杯の南米予選を勝ち抜き、W杯でポーランドとコスタリカに快勝してグループを2位で突破。ラウンド16でイングランドと対戦し、デビッド・ベッカムにFKを放り込まれて0-1で惜敗した。ホンジュラス代表を率いて2014年W杯にも出場したが、GSで敗退している。
つまり、彼にとって今回が3つの異なる代表を率いての3度目のW杯ということになる。
守護神ナバスが統率する守備陣は強固
現在のチームで最も有名な選手は、2014年から2019年までレアル・マドリーで活躍し、現在はパリ・サンジェルマンでプレーするGKナバス。状況判断が素晴らしく、強力なリーダーシップを発揮して守備陣全体を統率する。
最終ラインの要は屈強で経験豊かなCBオスカル・ドゥアルテ(レバンテ)で、ボランチのセルソ・ボルヘス(アラフエレンセ)が中盤で強固な壁となる。