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「陸上撮影の経験あり」のナゾ…日本選手権のカメラクルー接触事故はなぜ起こった? 「ボルトも激突されていた」現場のリアル 

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松原孝臣

松原孝臣Takaomi Matsubara

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photograph byYuki Suenaga

posted2022/05/10 11:04

「陸上撮影の経験あり」のナゾ…日本選手権のカメラクルー接触事故はなぜ起こった? 「ボルトも激突されていた」現場のリアル<Number Web> photograph by Yuki Suenaga

5月7日、世界選手権の代表選考を兼ねた陸上の日本選手権で、撮影していたNHKのカメラケーブルと選手が接触するアクシデントが発生した

 ボルトはジョークを交えつつ、「足首ではなくふくらはぎだから問題はないと思う」と語ったが、接触箇所が陸上選手の要である足であったことや、不意をつかれて後ろ向きに倒れてしまったこともあり、一歩間違えれば大きなアクシデントになりかねなかった。撮影側に細心の注意が欠けていた感は否めない。

 また、今年2月の北京冬季五輪では、スキー男子ハーフパイプ予選でヨン・サリネンがトリックでバランスを崩してハーフパイプの外に出たとき、撮影したカメラマンと激突した。この場合カメラマンは所定の位置にいたが、撮影ポジションにもう一考あってもよいケースかもしれない。

 昨年の8月、男子テニスツアーの「ウェスタン&サザン・オープン」準決勝ではダニール・メドベージェフがボールを追いかけた先で、コート後方のテレビカメラにぶつかるアクシデントが発生。メドベージェフはカメラを蹴り、位置を変えるように強く要求するなど主審と議論を続けた。

撮る側と選手側とのアクシデントは、数は少なくても起きうる

 撮る側と選手側とのアクシデントは、数は少なくても起きうる。ボルトの出来事のあと、「他人事とせず、より細心に注意を払うようになった」という話を聞いたこともあるが、それでも、ときに生じる。

 今回の日本選手権のケースは「あってはならない」極端な例かもしれない。ただ、現場に対する少しの緩みから、さまざまなアクシデントが起こり得るとも言えるだけに、立ち会う現場への真摯さこそ、忘れてはいけないことであることをあらためて感じる出来事でもあった。

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