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「理屈の上ではノーチャンスだが…」トルシエが語った日本代表のカタールW杯グループリーグ突破法「初戦には常に大きな驚きがある」 

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田村修一

田村修一Shuichi Tamura

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photograph byTakuya Sugiyama

posted2022/04/22 17:03

「理屈の上ではノーチャンスだが…」トルシエが語った日本代表のカタールW杯グループリーグ突破法「初戦には常に大きな驚きがある」<Number Web> photograph by Takuya Sugiyama

トルシエはサッカーの歴史を振り返りながら、グループリーグ突破の可能性を語った

 ただ、それでも韓国が18年に成し遂げたことを目指すべきだ。あらゆるプレッシャーから解放されている日本は、サプライズを引き起こすことができる。ここで言うサプライズとはドイツを破ることではなく、ドイツと引き分けることだ。引き分けでも日本には大きなアドバンテージになる。

――結果として引き分けになるということですか。

「そうだ。勝ちを狙いながら引き分けを良しとする。

 多くの日本人選手がドイツでプレーしている。それも日本にとってのアドバンテージで、ドイツに対して臆することなくプレーができる。コンプレックスも持っていない。大きなモチベーションがあるうえに失うものは何もない。

 そしてこれは最初の試合だ。歴史が示すように初戦はいつも複雑で、私が思い出すのはアルゼンチンが初戦でカメルーンに負けた試合だ」

――90年のイタリアW杯ですね(開幕ゲームに登場したディフェンディングチャンピオンのアルゼンチンが、フランソワ・オマンビイクのゴールによりカメルーンに0対1と敗れた)。

「初戦には常に大きな驚きがある。だからこそ難しいし、日本にとってはアドバンテージとなる。ドイツと初戦で当たるのは、2試合目や3試合目に対戦するよりもいい。日程は日本に有利だ。初戦でスペインと当たるよりもいいのは間違いないし、次はコスタリカかニュージーランドが相手だ。日本には悪くないシナリオだ。この難しいグループにあっても、日本がそこで戦い抜くためのポジティブな要因がいくつかはある」

――私が思い出したのは02年大会のフランス対セネガルでした。初戦でディフェンディングチャンピオンのフランスを破ったセネガルは、すべての選手がフランスで育成されました。そこまでではないものの、多くの日本人がドイツでプレーする状況は少し似ています。

鍵を握るドイツの日本人選手

「その通りで、フランス対セネガルはほとんどフランス対フランスといえる試合だった。日本はスタメンの中にドイツでプレーするのは何人いるのか?」

――現状は3人(田中、遠藤、浅野)ですが、大迫と酒井を加えると5人になります。

【次ページ】 アジアと世界のレベルの違い

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