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「理屈の上ではノーチャンスだが…」トルシエが語った日本代表のカタールW杯グループリーグ突破法「初戦には常に大きな驚きがある」 

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田村修一

田村修一Shuichi Tamura

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photograph byTakuya Sugiyama

posted2022/04/22 17:03

「理屈の上ではノーチャンスだが…」トルシエが語った日本代表のカタールW杯グループリーグ突破法「初戦には常に大きな驚きがある」<Number Web> photograph by Takuya Sugiyama

トルシエはサッカーの歴史を振り返りながら、グループリーグ突破の可能性を語った

「ドイツ対ドイツとまではいかないが、半分ドイツぐらいにはなる。日本はポゼッションを好みプレーを構築するが、ドイツやスペインが相手では守備に専念せざるを得ない場面も出てくる。ボール保持率はイーブンにはならないだろう。日本の保持率は50%以下になるはずで、日本は守備が強固でなければならない。ドイツとスペインの攻撃に対処するために、その領域においてこそ日本は努力していくべきだ。

 日本は自分たちがボールを保持して守備よりも攻撃を好むチームだ。守備をするのはしばしば相手からボールを奪うためであり、日本にとっての最善の守備は相手からボールを奪うこと――自分たちでボールを保持することだ。ボールをキープすれば、それが最初の守備になる。

 だがドイツやスペインを相手にそうしたやり方は現実的に不可能だ。日本が50%保持できるとは思えない。40%でもどうか。だから強く戦えることが必要だし、屈強に守る必要がある。そこはこれから強化していくべきだ。アジアでは日本はボールを支配できるが世界レベルだとそうはいかない。準備試合を通して守備の強化を進めていく」

アジアと世界のレベルの違い

――アジアでもサウジやイランが相手のときはしばしば相手にボールを保持されますが、日本がプレスをかけることで彼らの攻撃を制限できるし、守りながらゲームのイニシアチブを取ることもできます。しかしドイツやスペインが相手では、守ってゲームをコントロールすることは難しいでしょう。

「それこそがアジアレベルと世界レベルの違いだ。サウジやオーストラリアとの試合では、ボール保持率は50%対50%とか55%対45%、60%対40%といったところだろう。日本が多く保持することもあれば逆の場合もある。しかし攻撃に関しては、オーストラリアやサウジのそれとスペインやドイツとでは比較にならない。強度もスピードも効率も違う。だからプレスは必要だが、守備のブロックは低く構えるべきだ。多少ドイツに構築の余地を与える。自分たちの陣内に戻り、ゴールの40m手前から彼らにプレスをかける。

 日本にはこの試合に向けて準備の時間が十分にある。その間にプレスとボール奪取のためのシステムを構築する。アジアと比べてずっと低い位置でブロックを敷くやり方をだ」

<#2に続く>

#2に続く
「勝ち点4が日本の限界」トルシエがW杯ベスト16に進む確率を「50%」と計算する理由「彼らはドイツにコンプレックスを抱いてない」

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