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センバツ“繰り上げ出場”に近江ブラバン部員は「え? え? どういうこと!?」「一瞬理解できず」…準備期間“わずか3日”で対応できたワケ 

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梅津有希子

梅津有希子Yukiko Umetsu

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posted2022/03/21 17:03

センバツ“繰り上げ出場”に近江ブラバン部員は「え? え? どういうこと!?」「一瞬理解できず」…準備期間“わずか3日”で対応できたワケ<Number Web> photograph by Yukiko Umetsu

“繰り上げ出場”もアルプスで見事な演奏を披露した近江高校吹奏楽部。なぜ対応できたのか?

 今回のセンバツは、昨年夏以来の応援となる。昨年の地方大会は、吹奏楽の応援が禁止された地域が大半だったため、野球応援経験のある生徒がゼロという学校も多い。近江は夏に一度だけとはいえ、1、2年生が応援経験アリというのは大きいだろう。

「みんなで顔を見合わせながら『え? え?』」

 吹奏楽部には、繰り上げ出場のことがどのように伝えられたのだろうか。

 吹奏楽部部長の福永千秋さんは、

「ちょうど『3年生を送る会』をやっている途中でした。樋口先生から発表があったのですが、一瞬理解できず、みんなで顔を見合わせながら『え? え? どういうこと!?』という感じでした。こんなことがあるなんてと、ほんとうに驚きました」

 と、17日の様子を振り返る。

 同校の応援は、2018年にフルリニューアル。高校野球の応援曲といえば、『サウスポー』などの懐メロや、『ルパン三世のテーマ』といったアニメソング、『アフリカン・シンフォニー』あたりが定番で、実に多くの学校が演奏する。

 かつては、近江もこのような“よくある応援”だったが、樋口氏はこう振り返る。

「試合で相手校の応援を聴いていると、うちも含めてどこも同じ曲ばかりなので、『応援を変えたい』と思うようになりました。他にはない、オリジナリティのある応援曲にしたいなと」(樋口氏)

 洋楽が好きな樋口氏が、数多くの曲を聴いて、ファレル・ウィリアムズ『Happy』など、全5曲を選曲。ほかにも、ランナーが2塁に進むとチャンステーマに選んだピットブルの『Fireball』や、3塁に進むとリニューアル前の応援曲で唯一残る、『近江マーチ』こと『アルプス一万尺』など、場面によって異なる曲が流れる。

 2塁時の『Fireball』は、野球部が考案したラップ部分の歌詞が秀逸だ。  

野球部:「今日の主役はどこですか?」
一般生徒:「近江高校!」

という、斬新なコール&レスポンスを取り入れ、早くも他校が応援に取り入れるなど、一躍人気曲に。今回は声を出して応援することができないので、メガホンを振っての応援となった。

【次ページ】 近江独自のスタイルで見事に対応

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