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“5年前戦力外→球団営業マン”が実現させたホークス本拠地の新名物…あなたは「マルタイ棒ラーメンポール」を知っていますか?

posted2022/03/08 11:01

 
“5年前戦力外→球団営業マン”が実現させたホークス本拠地の新名物…あなたは「マルタイ棒ラーメンポール」を知っていますか? <Number Web> photograph by Kotaro Tajiri

ホークス本拠地のファウルポールに命名権が導入された。取得したのは福岡市に本社を置く「株式会社マルタイ」。同プロジェクトの実現の裏に元プロ野球選手の奮闘があった

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田尻耕太郎

田尻耕太郎Kotaro Tajiri

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 試合は大詰め9回裏。3点ビハインドながら2死満塁、打席は柳田悠岐。フルカウントからの6球目、いつもの如く「グワっ」と唸り声を上げて強烈フルスイングだ。力の限り引っ張った打球がホークスファンの夢を乗せてぐんぐん、ぐんぐん伸びていく。

 飛距離は十分だ。フェアか、それともファウルか……。当たったー! マルタイ棒ラーメンポール直撃の逆転サヨナラ満塁本塁打だー!!

 え? マルタイ?? 棒ラーメン……ポール???

ファウルポール×マルタイラーメンによる“奇跡のコラボ”

 球場の外野フェンスと両翼のファウルラインが接する地点に立てられているファウルポール。よほど際どい打球を判定するとき以外に着目されることはまずない。

 ホークスは本拠地今季初オープン戦の前日だった3月1日、そのファウルポールに命名権を導入したと発表した。取得したのは即席めんの「棒ラーメン」が主力商品として御馴染みで、福岡市に本社を置く「株式会社マルタイ」だった。

 球団は、ファウルポールへの命名権導入は「日本初!」と銘打ち、各メディアへプレスリリースを送った。

アメリカ発ネーミングライツの歴史

 このネーミングライツとも呼ばれるビジネス手法は、1990年代から北米のプロスポーツ施設を中心に急速に拡大し、2000年代以降は日本にもその流れがやってきた。日本初の命名権取得施設は東京スタジアムの名称が、03年3月1日より味の素スタジアム(現在も同名称)と変更されたものとされる。

 ホークスも、親会社がダイエーからソフトバンクへ変わった05年以降にはあらゆるモノに命名権がつくようになった。最も分かりやすいのが本拠地球場名だ。ヤフードーム(05年~13年1月31日)→ヤフオクドーム(13年2月1日~20年2月28日)となり、現在はPayPayドームとなっている。また、球場内の座席についても球団公式サイトによれば27種類もあるのだが、およそ半数の13席種には命名権が導入されている。一昨年にドーム横に開業したエンタメビルもそうだし、その中にある各施設にもそれぞれネーミングライツが導入されている。

【次ページ】 コラボの裏にあった“10年育成ドラ3”の奮闘

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