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“5年前戦力外→球団営業マン”が実現させたホークス本拠地の新名物…あなたは「マルタイ棒ラーメンポール」を知っていますか?  

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田尻耕太郎

田尻耕太郎Kotaro Tajiri

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posted2022/03/08 11:01

“5年前戦力外→球団営業マン”が実現させたホークス本拠地の新名物…あなたは「マルタイ棒ラーメンポール」を知っていますか? <Number Web> photograph by Kotaro Tajiri

ホークス本拠地のファウルポールに命名権が導入された。取得したのは福岡市に本社を置く「株式会社マルタイ」。同プロジェクトの実現の裏に元プロ野球選手の奮闘があった

 すっかり見聞きすることには慣れたはずの取り組みだったが、さすがにファウルポールに命名権というニュースには度肝を抜かれた。あまりの突飛な発想に野球ファンも大ウケ。SNS上などでかなりの反響を集めた。

コラボの裏にあった“10年育成ドラ3”の奮闘

 さっそく球団へ取材を申し込み、対応してくれたホークス広報室の鳥原早貴も「面白いアイデアなので喜んでもらえると思っていましたが、想像以上の反響でした」と驚きを隠せない様子だった。じつは、ファンが盛り上がったのは、「ホークス球団公式note」に彼女がこの舞台裏を丁寧に書き記したおかげでもあった。

 その中に、このプロジェクトに尽力した球団営業マンの名前があった。伊藤大智郎だ。

 この名を見てハッとすれば、よほどのホークスファンに違いない。伊藤は元ホークスのピッチャーである。細身のサイド右腕は10年育成ドラフト3位で、愛知県の誉高校から入団した。現役当時の背番号は127だった。選手時代から礼儀正しく、地道にコツコツと努力するタイプの選手だったのをよく憶えている。ただ、それが結果に結びつくわけではないのが、悲しくもあり厳しいプロ野球の世界だ。支配下登録の目標は果たせず、17年のシーズンオフに彼はユニフォームを脱いだ。ずっと育成選手だったにもかかわらず7年間も在籍したのは、彼の人柄の良さはもちろん、実力の面でも評価をされていたからだ。本当に紙一重だった。

 球団から来季契約しない旨を告げられた際に、セカンドキャリアとして球団職員への転身を勧められた。最初はファンサービス部に配属されたこともあり、球団SNSで「だいちろーサラリーマンになる。」と題した連載も行った。そして、営業部に異動して3年目となる。

マルタイ社員は「棒状のものや黄色いものに反応する」

 今回の「マルタイ棒ラーメンポール」の件について、広報の鳥原は「マルタイ様と伊藤の関係の良さが印象的でした」と言う。

【次ページ】 セカンドキャリアで“元プロ”の肩書は出すべきなのか

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