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全日本選手権の“失望”を乗り越えて…アイスダンス村元&高橋が明かした“来シーズンへの本音”「まだ違う景色を見てみたい」
text by
田村明子Akiko Tamura
photograph byGetty Images
posted2022/01/29 17:03
四大陸選手権にて日本勢として初の銀メダルを獲得した村元哉中・高橋大輔組
高橋にとっては9年ぶりの四大陸だった
今回の四大陸選手権は、村元にとっては2018年に前のパートナーのクリス・リードと3位に入賞して以来のこと。そして高橋大輔にとっては2013年、怪我の影響で7位に終わって以来のことだった。
「9年ぶりに……懐かしいような、アイスダンサーとしては初めてのことで新鮮な気分。アイスダンサーとしてこのチャンピオンシップに来れたというのは、9年前には想像できなかったです」
高橋が会見でそう言うと、隣に座っていた1位のマイケル・パーソンズが拍手をした。シングルのスター選手だった高橋とこうして戦うことの感想を聞くと、パーソンズはこうコメントした。「ダイスケはレジェンド。それ以外の言葉は思いつかないです」
パートナーのカロライン・グリーンは「彼らのプログラムは、最も斬新なプログラムの一つだと思いました。一緒に表彰台に上がれてとても光栄です」と付け加えた。
最後まで笑いに包まれた記者会見場
また同じ壇上に座っていた3位のアンソニー・ポノマレンコは、「ぼくは初めて真剣に見たスケートの大会が、2010年の(バンクーバー)オリンピックでした。だからダイスケとこうして同じ場所に座っているのは、とても光栄な気分です」と口にした。21歳になったばかりのポノマレンコは、当時9歳。こうして12年後に35歳になった高橋と競うことになるとは、彼自身も想像もしていなかっただろう。
会見が終了すると、普段通りカメラマンの撮影が始まった。壇上で3組にポーズを撮ってもらう。一通りの撮影が終了すると、「何か面白いポーズをお願いします」とリクエストが出た。パーソンズが「ダイスケにみんなで平伏しよう!」と言うと、謙虚な高橋は本気で焦った表情をして「それはダメ」「No, no, no!」と応対する。結局他の選手たちが頭を下げているところで、それを必死で止めようとする高橋の焦った様子、というユニークな構図が出来上がった。
最後まで和やかな笑い声に満ちた、四大陸アイスダンス記者会見だった。
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