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「じんの」ではなく「かみの」…7年前、箱根での神野大地の“ジョーク”を原晋監督が評価するワケ「『チャラい』は最高のほめ言葉」
posted2022/01/02 06:02
text by
原晋Susumu Hara
photograph by
KYODO
2015年、青山学院大学が箱根駅伝で初めて総合優勝してから早7年。それ以降も必ず優勝争いに絡んできた“常勝軍団”は、今年も優勝の本命の一角となった。
原晋監督著『フツーの会社員だった僕が、青山学院大学を箱根駅伝優勝に導いた47の言葉』(アスコム刊)から、“常勝軍団”を作るうえでポイントとなる、「青学カラー」について原監督自身が明かした「『チャラい』は最高のほめ言葉である」の章を抜粋して紹介する。(全3回の2回目/#1、#3へ)。
原晋監督著『フツーの会社員だった僕が、青山学院大学を箱根駅伝優勝に導いた47の言葉』(アスコム刊)から、“常勝軍団”を作るうえでポイントとなる、「青学カラー」について原監督自身が明かした「『チャラい』は最高のほめ言葉である」の章を抜粋して紹介する。(全3回の2回目/#1、#3へ)。
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青学カラーに合わない人材は採用しない
組織のカラーに合わない人材は、能力発揮に時間がかかる
人材の見極めに関して、私はもう一つ意識していることがあります。それは、青学陸上競技部の文化や環境、言い換えると青学カラーに合わない人材は採用しないことです。私は、どんなに超一流の素質を持っていても、チームカラーに合わなければとらない覚悟を持っています。特に短期的に結果を求められる組織では、そうするべきだと考えます。
なぜなら、その人材を環境に適合させる時間が必要だからです。例えば、最初から青学カラーに合う選手をスカウトしておけば、入部と同時に走力強化に集中できます。大学での競技生活はわずか4年間。環境に適合させる時間は無駄であり、その選手もチームも本来の力を発揮できずに終わる可能性があります。せっかくの優秀な人材が、環境に合わないだけで能力を発揮できないのは不幸と言わざるをえません。
そのため、私は、スカウトする選手を絞り込む段階で選手自身と面談したり、情報を細かく入手したりすることを大事にしています。