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「じんの」ではなく「かみの」…7年前、箱根での神野大地の“ジョーク”を原晋監督が評価するワケ「『チャラい』は最高のほめ言葉」
text by
原晋Susumu Hara
photograph byKYODO
posted2022/01/02 06:02
2015年、往路初優勝を果たし、両手を挙げてゴールする神野大地
実業団志望なのか、大学志望なのか。関東志望なのか、関西志望なのか。箱根駅伝を目指すのか、違う大会でもいいのか。中長距離をやりたいのか、将来的にマラソンをやりたいのか。さらには、勉強ができるのかできないのか、理系なのか文系なのかも調査を進めます。
陸上競技以外の情報を集めるのは、目標は箱根駅伝優勝であっても、学生としての本分である勉強も疎かにはさせないためです。これも青学カラーの一つです。
神野大地のジョーク「スタッフの方に『じんの』と」
伸びる子は真面目でチャラいこともできる
青学のカラーをもう一つ挙げるとすると、華やかさでしょうか。少しくだけた言葉で言うと、「チャラい」。2015年の箱根駅伝で往路優勝を飾ったとき、神野大地がインタビューでこんなジョークを飛ばしました。
「スタート前、選手の招集でスタッフの方に『じんの』と呼ばれましたが、これで『かみの』と覚えてもらったんじゃないでしょうか」
どんなときでも笑いを取ろうとする、青学のチームカラーが出た瞬間です。このコメントを聞いて、「陸上選手がチャラチャラしたことを言って」と言う方もいます。
しかし、私は選手たちに「チャラいは、最高のほめ言葉」だと伝えています。
普段からチャラチャラしている人にはほめ言葉になりませんが、青学の陸上競技部の選手は普段、練習も勉強も真面目に取り組んでいます。そういう学生が神野のようなジョークを飛ばせるというのは、表現力が豊かということです。