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「じんの」ではなく「かみの」…7年前、箱根での神野大地の“ジョーク”を原晋監督が評価するワケ「『チャラい』は最高のほめ言葉」 

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原晋

原晋Susumu Hara

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posted2022/01/02 06:02

「じんの」ではなく「かみの」…7年前、箱根での神野大地の“ジョーク”を原晋監督が評価するワケ「『チャラい』は最高のほめ言葉」<Number Web> photograph by KYODO

2015年、往路初優勝を果たし、両手を挙げてゴールする神野大地

原監督「チャラいは、最高のほめ言葉」の真意とは?

 勉強で思い出すのは、以前、青学の安藤孝四郎前理事長に伺ったこんなエピソードです。

 毎年12月に青学では、青山キャンパスで箱根駅伝に向けて陸上競技部の壮行会が開かれます。応援団やチアリーディング部が出演し、たくさんの学生が集まる大々的な行事です。

 それなのに、肝心の陸上競技部の箱根を走るレギュラーの部員が、6、7人しか出席しいないのです。なんなんだこれはと思って職員に事情を聞くと、「他の部員は授業に出ています」という答えだったと。壮行会は、青山キャンパスで行われるので、相模原キャンパスで授業に出席している部員は移動に約1時間を要するので参加できないのです。それを聞いた安藤前理事長は、「授業を休んで出席しなさい、と言わない原監督も、授業に出ている部員も素晴らしい。文武両道の青学らしい」とおっしゃったそうです。

 しかし、これは青学陸上競技部にとっては、当たり前のことなのです。陸上もやり、勉強もやり、だからこそ、「チャラい青学」もできるのだと思います。

 やるべきことをやりながら、チャラいこともできる。それはとてもいいことではないかと私は考えるのです。なぜなら、その選手が伸び伸びと自分を発揮しているということですから。

 その組織、チームのカラーに合うかどうか。

 それは徐々に慣れていくものではなく、できることなら最初から適合する人材を採用するべきだと思います。そのほうが、才能を潰すことなく、早い段階から戦力にできるはずです

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#3に続く
なぜ青学の選手には拘束がなくても“覚悟”があるのか? 原監督が後悔を告白「パチンコ、コンパに明け暮れるダメな陸上部員だった」

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