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なぜ青学の選手には拘束がなくても“覚悟”があるのか? 原監督が後悔を告白「パチンコ、コンパに明け暮れるダメな陸上部員だった」
posted2022/01/02 06:03
text by
原晋Susumu Hara
photograph by
KYODO
常勝軍団・青山学院大学を作り上げた指導者として注目を集める原晋監督だが、現在の指導の裏には、自身が現役だったころの教訓が生かされているのだという。
原晋監督著『フツーの会社員だった僕が、青山学院大学を箱根駅伝優勝に導いた47の言葉』(アスコム刊)から、「伸びる人間には『覚悟』がある」の章を抜粋して紹介する(全3回の3回目/#1、#2へ)。
原晋監督著『フツーの会社員だった僕が、青山学院大学を箱根駅伝優勝に導いた47の言葉』(アスコム刊)から、「伸びる人間には『覚悟』がある」の章を抜粋して紹介する(全3回の3回目/#1、#2へ)。
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大学時代「パチンコ、コンパに明け暮れるダメな陸上部員だった」
覚悟があった高校時代、覚悟が足りなかった大学時代
覚悟ができている人材は伸びる。これは、私自身の陸上生活から学んだことです。
駅伝の強豪・世羅高校に進学するときの私には覚悟がありました。全国的にトップレベルの高校に自ら行こうと決めたからには、なにがなんでも結果を出さなければいけないと思っていたのです。その覚悟が途切れなかったことが、高校3年のときの全国高校駅伝での準優勝につながったのだと思います。
しかし、中京大学に進学してからの選手生活には覚悟がありませんでした。なぜなら、自分で選んで入学を決めた大学ではなかったからです。入学の理由は、高校時代の恩師から「中京大学に行きなさい」と言われたことでした。それでは練習に身が入らないのも当然です。
そういう中途半端な状態だったので、大学時代に誇れるような成績を残せませんでした。しかも、高校時代の厳しい寮生活の反動も手伝って、大学1、2年の頃はパチンコ、コンパに明け暮れるダメな陸上部員だったのです。