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《進上金だけで1億超》今年GI3勝・横山武史(22)の年収はどうなる? デビュー5年目での記録は「武豊とも遜色ない」レベルだった
text by
江面弘也Koya Ezura
photograph byPhotostud
posted2021/11/13 11:01
今年の天皇賞・秋をエフフォーリアで制した横山武史(22歳)
武豊とも遜色ない“デビュー5年目”での記録
もうひとり、印象的なことばで横山武史騎手を語ったのは、横山騎手が乗るエフフォーリアを破ってダービー馬となったシャフリヤールの藤原英昭調教師だった。大学時代は馬術の日本代表として活躍した藤原調教師は「馬乗り」に関してはだれよりも厳しく、福永祐一騎手すら「誉められた記憶がない」と言う人だ。その藤原調教師がダービーの記者会見でこんな話を、自分からしたのだ。
「あいつ(横山武史)は、必ず競馬界を背負ってトップを取る男ですからね。そういう意味では、きょうの勝利は、いろんなことで意味のあるものになりました」
藤原調教師が「競馬界を背負ってトップを取る男」と評するならば、どうしても武豊騎手と比較したくなる。武騎手は1年めに69勝し、重賞も3勝。3年めでリーディングジョッキーになった。日本中を感動の渦に巻きこんだオグリキャップのラストランは4年めである。
そんな大騎手と比べてはかわいそうかもしれないが、5年めに限っていえば武騎手は96勝、重賞9勝(GI1勝)で、横山騎手は11月8日現在、87勝、重賞7勝(GI3勝)と遜色ない。冷静で落ち着いたレースぶりは武騎手を彷彿させ、菊花賞で見せた大胆な騎乗は「天才・福永洋一」さえ思いおこさせた。
横山武史(22歳)はいくら稼いでいる?
ところで、22歳の騎手がこれだけ活躍すると「いったい、いくら稼ぐのか?」という声も聞こえてくる。思えば新人だった武豊騎手が一般メディアに注目されたのも、バブル期らしく、あどけない顔をした少年騎手が1億円以上稼ぐという話題だった。競馬を知らない人々が武豊という騎手のすばらしさを知るのは、そのあとのことだ。
騎手の主収入はレースの賞金から分配される「進上金」である。馬主が得た総賞金(レースの本賞金のほかに様々な奨励金を含む)の5%が騎手の進上金になる(厩舎関係者は15%)。ことし横山武史騎手が乗った馬が稼いだ総賞金は21億5000万円余だから、進上金はすでに1億円を超えている。